平均3万円のレストランが3分で埋まる?!三方良しのCRM施策
ビジネスコネクト活用事例として二人が紹介したのは、三井住友トラストクラブが運営するダイナースクラブの会員向けサービスだ。
ダイナースクラブがCRMに取り組んだのは、独自のサービスによる会員の満足度向上およびロイヤリティアップが目的。これを受けて、トライコーンが提案したビジネスコネクトの活用はこうだ。
「三井住友トラストクラブ様の課題を踏まえて、我々は『ダイナースクラブ ごひいき予約』というLINE上のサービスを支援しました。これは、複数のパートナーの協力のもと、高級人気飲食店で出たキャンセルによる空席を会員に向けてLINE上で優先的に案内する、というものです。
飲食店側は機会損失がなくなりますし、会員には普段予約できないような高級店に行くチャンスがあるため喜ばれ、三井住友トラストクラブ様のCRM向上にも貢献できました。三方良しのwin-win-winな活用です」(高村氏)
このサービスでは、ビジネスコネクトにより、会員の居住地や食の好みに関するデータに基づいてキャンセル枠がメッセージでターゲット配信される。メッセージがユーザーに適した内容になっているため、1人あたり約30,000円の価格帯であるにも関わらず、配信後3分以内にはキャンセル枠が埋まってしまうほど反応が良いそうだ。
さらに、ダイナースクラブのアカウントを友だち登録しているLINEユーザーであれば、このメッセージを受け取ることができるが、実際に予約ができるのは会員のみだ。サービスに魅力を感じたユーザーが新規会員登録をすることも狙っているという。
「新規顧客の獲得施策など典型的な活用以外にも、LINE上でできることはたくさんあります。インフラ化しているLINEの“高い反応率”という強みとビジネスコネクトが可能にする“データの活用”を組み合わせることで、より質の高いCRM施策が実現できると考えています。さらに三井住友トラストクラブ様の事例は、“即効性”というLINEの利点も活きています」(新垣氏)
ECサービスのAPI化は、やらない理由がない!
もう一つ共有されたのは、ECの領域での活用事例だ。EC事業者にとって“カート落ち”“LPでの離脱”は、長年の課題。特にLINE上では、メッセージからECへ移動しても、他のメッセージのやり取りなど離脱の要因が多々発生するため、これらは深刻な問題だそうだ。
この課題に対して、トライコーンは自社のツール「LOOPASS」のDMP機能を使い、「お買い忘れの商品はございませんか?」などというように商品を特定したリターゲティング配信を行うことで、CVRを3~15倍アップさせることに成功している。
「『LOOPASS』のDMPでは、ユーザーのサイト内における行動ログをすべて蓄積しているため、ビジネスコネクトを活用することで、ユーザーを特定してそれぞれに適切なメッセージを配信することができます。たとえば、初回サンプル購入者に商品理解や継続購買のメリットを伝えることで、本商品購入を促すようなメッセージを配信するなどの設定も可能です」(新垣氏)
さらに高村氏は「EC事業者の中には、まだLINEのアカウントをAPI化していない企業様もいらっしゃいますが、絶対にAPI化は実施したほうが良いと思いますね。やらない理由はない、と言っても過言でないくらいです」と、ECにおけるビジネスコネクトの活用メリットを強調した。