ユーザーの検索体験を向上し、より良質な検索メディアへ
今後も、DASを含め、広告に関連したシステムのアップデートを予定しているスポンサードサーチ。2018年1月から対応した、複数デバイス間のコンバージョンを測定する「クロスデバイスコンバージョン」の導入による広告効果の可視化や、自動入札の機能強化、ダッシュボードをはじめとした広告管理ツールの改善などを計画中だ。また、パーソナライズの観点では、Yahoo! JAPANの保有するデータを利用したターゲティング機能も準備を進めている。
運用業務の支援としては、広告主のアカウントに合わせて最適化案を提案する「最適化タブ」と呼ばれる仕組みを6月上旬にリリースした。これは、広告管理ツール上でインプレッションやクリックの獲得につながる入札キーワード、広告表示オプションの登録をリコメンドする機能である。「運用の自動化と配信パフォーマンスの向上、および運用担当者の負荷軽減は、スポンサードサーチとしても取り組んでいきたい分野です」と大町氏。
今年5月8日、Yahoo! JAPANアプリでは、検索結果の表示を大きくリニューアルした。ユーザーが求めている検索結果を1回の表示で適切に届けることが狙いである。検索機能の向上だけでなく、ユーザーを惑わすような不正な広告の防止や市場の健全化にも力を入れている。取り組みの一環として広告掲載基準を更新。広告の信頼性に対する関心が高まっていく中、不適切なクリエイティブなどには注意を払っていく構えだ。
運用負荷を軽減し企業の新しいチャレンジをサポート
SNS広告などが台頭し、当初は検索連動型広告市場の陰りが予想されていたが、着実に成長は続いていると大町氏。そして検索行動に変化が出てきており「ユーザーの興味関心の度合いにより、どのサービスで検索するかという選択肢が生まれている」という。
「インターネットショッピングも、検索ポータルサービスとECサイト内のどちらで検索するかで、ユーザーの姿勢には違いが見えます。ヤフーは、路線検索や地図検索など含めた『検索行動』すべてを一つの組織で管轄し、検索行動に対する課題解決力を研鑽しています。ユーザーの利便性、安全性を高め、検索トラフィックへつなげたい。そしてそのトラフィックに対してより良い広告を表示できるよう提案していきたいと考えています。そのためにも、検索連動型広告は運用側の負荷を下げ、広告主の皆様が新しいことをチャレンジするきっかけになるよう、さらなるサービスの強化を進めて参ります」(大町氏)