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「抽象論には意味がない。具体化がすべて」スマニュー西口×チームラボ堺が語るマーケ視点の経営

2018/06/13 13:00

 本連載では、スマートニュースの西口一希氏が経営者やCMOなどマーケティングそしてビジネスの最前線で活躍する人物を訪ね、「マーケティング視点の経営」についてディスカッションする。今回は創業18年目ながらますます躍進目覚ましいチームラボを訪ね、主にソリューションビジネスを統括する堺大輔氏に、500人超の専門家集団での仕事の仕方とマネジメントについて聞いた。

520台のPCによる1万㎡の最新企画展

チームラボ 取締役 堺大輔氏(写真左)スマートニュース 執行役員 マーケティング担当 西口一希氏(写真右)
チームラボ 取締役 堺大輔氏(写真左)
スマートニュース 執行役員 マーケティング担当 西口一希氏(写真右)

西口:連載第2回目となる今回は、チームラボさんにお邪魔しました。僕は以前からチームラボの表現にとても興味があって、ロクシタン時代に新宿の路面店で、体験型の映像空間プロジェクトをご一緒していただきました。

 そのとき、「この500人超のテクノロジスト組織は、一体どうやってマネジメントされているんだろう?」と思ったんですよね。そこで今回は、マーケティングと経営という観点から、じっくりお話を聞きたいと思いました。はじめに、堺さんのお立場についてうかがえますか?

堺:チームラボは代表の猪子寿之と、4人の取締役が役員となっていて、僕はそのうちの一人で創業メンバーでもあります。チームラボには大きく2つの顔があるんですが、僕が主にみているのが、西口さんとの企画のような対クライアントのデジタル体験企画や、Webやアプリの開発といったソリューションビジネスです。もう一つの顔が、猪子を中心とする自主プロジェクトのデジタルアートです。

西口:自主プロジェクトのデジタルアートでは、直近の6月21日には、お台場に最新の常設展示「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」がオープンしますよね。2年前に同じお台場で企画展をされたときも、3000㎡の広さに驚きましたが、今回は1万㎡という、文字どおり桁違いの規模ですね。

堺:僕らも、広大だなぁ~、と(笑)。2年前の企画の時点で、もっと皆さんにいろんな体験をしてもらいたいと思って、広い場所を探していたんです。そこで森ビルさんに声をかけていただき、共催することになりました。「ボーダレス」というコンセプトの下、ゆるやかに連携して影響し合う作品群を、520台のPCと470台のプロジェクターで展開しています。

「体験」してもらうことに重きを置きたい

西口:今回は、事前のパブリシティもいくつかお見かけしたんですが、でも基本的にラボさんはあまりマーケティングやPRをされていないですよね。僕からすると、もっと事前にPRしたらより多くの人に知ってもらえるんじゃないか、と思ったりする。マーケティングやPRのチームって、あるんですか?

堺:広報PRに関してはソーシャルブランディングチームというチームがあります。従来の広報PR的な観点でのメディアとのコミュニケーションやパブリシティ獲得に関しては、積極的に動いているわけではないかもしれません。

 彼らは、チームの名前の通り、チームラボのアウトプットを体験したり使ったりした人々が起こすネット、ソーシャルメディア上での行為を、できるだけポジティブに最大化させることでブランディングさせることに注力しています。

西口:確かに、一つひとつのアイデアが強烈に強いし、類似のものがないから、好きな人は好きになるしオーガニックな拡散力があると思うんです。だから、「そこまでやらなくてもいい」と考えられている?

堺:やらなくても、というわけではないんですが……、僕らの提供しているものは「体験」なので、体験してもらってそれを語ってもらうこと自体が、いちばんのマーケティングだと思っているところはあります。実際に企画展をするとInstagramにたくさん写真が投稿されて、それを通して次のお客さんが来てくれる流れがとても大きいんです。ただ、僕らから主観的に事前のPRをするというのは、ちょっと違和感があるかな。

西口:と、いうと?

堺:なんていうんだろう、ウソっぽくしたくない。僕らの提供する体験は動的なので、一人一人感じることはその人の視点によって違ってきます。

 それを二次元的に伝えようとすると、体験自体が演出されているから、演出を脚色するみたいなことになる。それより、来てもらったときに自由に楽しめる環境を提供するほうに力をかけたい、と思っていますね。

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