女性のニーズを具現化して生まれた『ことりっぷ』
――はじめに『ことりっぷ』のコンセプトを教えて下さい。
冨田:おかげさまで、ことりっぷは今年で10周年を迎えました(参考記事)。これまでの10年間でコンセプトが変わることはなく、一貫して「働く女性の旅を応援する」というコンセプトのもと、企画・編集を行っています。
実は、ことりっぷを創刊する際には、マーケティングリサーチを徹底的に行いました。女性がガイドブックへ求めるものは何なのかリサーチをかけ、そのニーズを具現化してできたのがことりっぷです。
――具体的には、どのようなニーズがあったのですか?
冨田:特に多かった声は、ガイドブックの重さですね。持っていただくとわかるのですが、ことりっぷは比較的軽い紙を使うことで、重さをできるだけ軽くしています。また、女性の小さめのカバンにも入るサイズになっているんです。
――なるほど、読者層としてはどのような女性を想定されていますか?
冨田:20代後半~40歳くらいまでの働く女性が主なターゲットです。週末に1泊2日ないし2泊3日でコンパクトに旅に出かけることを想定して作っています。一般的なガイドブックは、幅広い読者層に対応するため、たくさんの情報が載っていて選びきれなかったりしますよね。ですので、ことりっぷでは情報を厳選して届けることを意識しています。
――20代後半以上というのは、意外ですね。また、ことりっぷは“自然体で落ち着いた”イメージが強い点も特徴的だと思います。
冨田:そうですね。ことりっぷは、ゆったりとした時間の雰囲気を大事にしています。現在ではそういったイメージが浸透していますが、当初は装丁を和柄にするなどして、工夫していました。あとは、写真の雰囲気、余白を大きく取った構成などが寄与していると思います。