広告費用は一切掛けずに話題喚起
――「ネグルシ」は、「歩かなくていいお化け屋敷」という斬新な切り口ですが、そもそもどういった経緯で思いついたのでしょうか?
ヤマグチ:「廃ベッド型お化け屋敷ネグルシ」(以下、ネグルシ)で来場者様が体験する恐怖と似ていますが、実際に私はベッドで身の危険を感じるくらい鮮明な幻覚を真夜中に見ることがあります。この実体験と、お化け屋敷に「自ら歩いて進むなら入りたくない」というユーザーが多くいることから「ネグルシ」を思いつきました。
【「ネグルシ」概要】
開催日:2018年7月28日(土)~8月29日(水)
開催時間:11:00~17:00
料金:ペア割り(2名様)2,000円、ロンリー料金(1名様占有)1,500円、オープンキャンパス参加の高校生は特別料金有り
会場:横浜ビューティー&ブライダル専門学校1階
アクセス:〒221-0822 神奈川県横浜市神奈川区西神奈川1-19-6
JR京浜東北線・JR横浜線「東神奈川駅西口」より徒歩5分、東急東横線「東白楽駅」より徒歩5分、京浜急行「仲木戸駅」より徒歩7分
――何がきっかけで「ネグルシ」がネット上で話題になったのでしょうか?
ヤマグチ:私は、「お化け屋敷をコンテンツメディアにする」という考えのもと、取り組みをしています。ホラーほどバイラルメディアに適したコンテンツはないと考えているためです。なので、コンテンツを発信する際も、プレスリリース配信のみに集中し、広告費用は一切掛けません。リリース文だけはリリース会社へ依頼せず、必ず自社で作成しています。
そのため、各メディアの取材やテレビ取材、ツイート拡散などにつながるような内容を常に心がけていますね。今回はカラパイアというメディアさんの記事が2日ほどで1,000RTに届くなど、強力な記事1本だけでもかなりの威力は狙えます。
――「ネグルシ」がネットで話題になるよう御社のほうから仕掛けたことはあるのでしょうか?
ヤマグチ:先ほど申し上げたことと重複しますが、プレスリリースに一番力を入れています。プレスリリースを想定した上で、ネーミングやキャッチコピー、メインビジュアルを真っ先に作成します。イベントのネーミングに関してはカッコつけず、ながらもツッコミどころがあり、皆さんに親しまれるように工夫しました。
1本のプレスリリースでサイト訪問数は80倍に
――「ネグルシ」がネットで話題になった後でどういった反響がありましたか?
ヤマグチ:弊社のサイト訪問数が80倍になり、お化け屋敷の新規相談は毎日3件前後いただくようになりました。また、「ネグルシ」導入相談が4件、取材依頼は30件近く来ましたね。その他、1週間以上にわたるドキュメンタリー密着取材がありました。「ネグルシ」に関するテレビ放送も複数オンエアされました。
――「ネグルシ」に関して、Twitterなどでは「いきたい!」といった声もあれば、「(怖すぎて)無理!」といった声もあります。怖さを数値化するバロメーターがないので表現しにくいかもしれませんが、「ネグルシ」はどの程度怖いお化け屋敷なのでしょうか?
ヤマグチ:これまでの経験上、お化け屋敷に入場する際、「歩くタイプならやめる」とおっしゃる方々を必ず見かけてきたので、「ネグルシ」ではそのハードルを取り除きました。これまでのお化け屋敷では不可能だった接近度でホラー映画の主人公気分が味わえるので、お化け屋敷上級者の方の来場が多く、その方々からは「失禁寸前だった」「本当にこれまでにない体験でした」といった声をいただきました。怖がりの人は「ナースコール」という危機回避アイテムにより、安心して来場してもらえるシステムをつくりました。
――「ネグルシ」は期間限定での開催ですが、期間中どの程度の来場者を見込んでいますか?
ヤマグチ:今回は、濃厚な怖さを念頭に置き、顧客満足度を最優先にするため、人数を制限して行っています。会場として使用している学校が17時で閉校となることもあり、仕事帰りのコアタイムのユーザーの需要が見込めないので、1日100名程度を見込んでいます。