有事のときはスピードが命、ワンストップで迅速な対応を
ではここで、製品リコールが起きた時に、企業に求められる対応を順に振り返ってみる。
まずは、問い合せに対応するコールセンターの立ち上げが必要だ。次に、製品回収のための倉庫や物流の手配、専用のWebサイトの用意、各媒体における情報発信。ここまでを素早く一気に展開しなくてはならない。そして、情報を発信した後は、殺到する問い合わせへの対応、リコール対象製品の回収が待っている。さらに、製品の回収が進まない限りは、この受付体制を保ち回収情報の告知を行い続けなければならない。
そこで、トランスコスモスとヤフーは、企業におけるこれらの対応をサポートするために「DECAds for Emergency」というソリューションを考案。製品リコール告知から消費者対応、回収における物流までをワンストップで支援する仕組みを提供している。
告知は、Yahoo! JAPAN内の広告枠のほか、新聞やテレビなどのメディアにも対応。国内ネットユーザーの8割に近いヤフーのリーチ力と、エリアターゲティングなどを組み合わせることで、さらに高い効果やコストダウンを見込める。特にYCDは、Yahoo!ニュースにも掲載されるため、不特定多数にリーチできる。情報周知の必要なリコールには、非常に相性の良い枠だ。
また、広告のクリエイティブについても、トランスコスモス側で制作・運用を行っている。
「謹告広告は、スピードが命です。あらかじめクリエイティブのテンプレートがありますので、お客様は動画・テキスト・画像をご用意いただくだけで掲載をスタートすることができます。告知までの期間も可能な限り短縮できるように努めています」(橋本氏)
殺到する問い合わせには、チャットボットと有人で対応
一般的に謹告広告を配信した後は問合せが殺到する。ここでコールセンターの立ち上げに時間がかかると、消費者への被害やストレス、さらなるブランド毀損などにつながってしまう。よって素早い対応が求められるが、トランスコスモスでは、最速1日でコールセンターを立ち上げることができる。これは、国内外に多数のコールセンターを運営しているノウハウがあるからだ。
さらに、有人対応だけでなく、チャットボットやメールなど、多様なコミュニケーションチャネルに対応している点も特徴的である。
「コールセンターの課題として、告知直後は電話が殺到します。しかし対応人員が少ないと、お客様をお待たせしてしまう。その点、チャットボットであれば、お待たせすることはありません。また、お問い合わせのほとんどは、自分が持っている製品がリコールの対象か否かの確認です。こうした問い合わせには、チャットボットにシナリオを設定することで、効率よく対応することができます」(橋本氏)
「DECAds for Emergency」では、広告をクリックすると、チャットボットが立ち上がるランディングページへと遷移する。Yes/Noで答えていくと、リコール対象製品の場合は送付先や対応方法などが表示される仕組みになっている。また、ボットでの対応後に電話窓口の表示も可能なため、消費者と企業双方にストレスなく対応が進められる。もちろん有人でのチャット対応も可能。この場合も、一対一のコミュニケーションとなる電話に比べ、チャットオペレーターは同時に複数対応ができるため、効率性は上がる。
そして最後に、回収業務がある。リコール対象製品は回収した後も保管しておく必要があり、消費者へは代替品や謝礼などを届けるコミュニケーションが発生する。
トランスコスモスは、在庫管理・出荷・ピッキングとEC向けのソリューションを提供しているため、この機能を活用して回収業務にあたることができる。