社名に「ZOZO」を据えて第2の創業期を掲げる
西口:今回は、今年設立20周年を迎えたZOZOグループのテクノロジー領域を担う、ZOZOテクノロジーズCINOの金山さんにゲストに来ていただきました。金山さんがヤフーを経て創業されたVASILYが、旧スタートトゥデイ傘下になったのがちょうど1年ほど前でしたよね?
金山:そうですね。元々ヤフーでファッションやライフスタイル系のメディアに携わっていて、2008年に立ち上げたVASILYではファッションアプリの「IQON(アイコン)」を中心に事業を展開していました。
ZOZOグループになってから、この春に他の子会社と合併する形でスタートトゥデイテクノロジーズが設立され、さらに先日の「株式会社ZOZO」への社名変更と同時に我々も「株式会社ZOZOテクノロジーズ」へと社名を変更しました。リリースでは“第2の創業期”と打ち出しています。
西口:その間、ZOZOSUITの展開とプライベートブランドの販売開始、それから超・高給なテクノロジー人材の募集も話題になりました。金山さんとは数年前に知り合ってから時折お会いしていますが、この1年はなかなか激動でしたね……! 今も経営側でいらっしゃいますが、ベンチャー時代と今と何が決定的に違うと思いますか?
金山:明確なのは、経営の条件ですね。ベンチャー時代はゼロから始めているので、限られた資金と技術をやり繰りしてどう戦うかがテーマでした。かたや今は、ポーカーであれば手札は最強、何ならカード100枚から好きな手札から始めてもいい、そんな状況です
その好条件下で、会社から「お前本当に勝てる能力ある?」と問われていると思っています。日本最大級のファッション通販サイトのリソースを使って、金山という人間はちゃんとインパクトあるビジネスを推進できるのか、と。
LINE上でも進む経営陣の意志決定
西口:そういうプレッシャーがある? たとえば前澤さんから言われるとか?
金山:あ、プレッシャーは感じていないですね、僕が自分で思っているだけで。この状況だからこそやりがいがあるし、めちゃくちゃ楽しいです。前澤は“詰める”ようなことは言わないです、ニコニコして「やれるよね?」と、できる前提で信頼していただけている感じですね。
西口:そう聞くと、詰められるより圧が強い感じもしますけど(笑)。そう、今回うかがいたかったのは、組織づくりとファッションテックという2つの柱があって。まずその組織についてですが、前澤さんという強い個性をお持ちの方をトップに、金山さんのほかにも複数のテック系の起業家人材がジョインしていて、直近では元LINEの田端信太郎さんも参画された。普段どうやって事業を運営されているんですか?
金山:割とLINEで会話していますね。別に田端さんが来られたからじゃなくて(笑)、以前から前澤とも他の経営陣とも、いつでもつながっているような感じです。そこでバンバン意志決定もしますし、少しやり取りして「話したほうがいい」となったら会う。まあ、3ヵ月に1回くらいはゴハン行きますね、寂しいので。
西口:なるほど(笑)。
金山:ただ、マネジメント同士はそれで大丈夫ですが、僕はソフトウェアの開発現場とは顔を合わせる必要があると思っています。開発者のコンディションを含め、会わないと実際のところがつかめないので、要所要所で会って話すようにしています。