あらゆる企業に役立つのが「エンゲージメントマーケティング」だ
「マーケティングオートメーション(以下、MA)」という言葉が日本市場で認知されるようになって、5年近くになる。そのMA市場において、存在感を放ってきたのがマルケトだ。
マルケトが日本市場で営業を開始したのは、2014年のこと。以来、BtoB/BtoC問わず、様々な業種の企業に導入されてきた。MAツールの特長は、顧客ニーズや心理状態に合わせ適切なコミュニケーションを適切なチャネルで行い、顧客との長期的なエンゲージメントを確立することにある。マルケトでは、これを「エンゲージメントマーケティング」と呼んでいる。
そして、「エンゲージメントマーケティングは、業種・業界や規模に関係なく、あらゆる企業に役に立つ」とマルケトでマーケティング本部長を務める小関氏はいう。
この方法で大きな成果を上げているのが、楽天オーネットだ。本セッションでは、小関氏に続き、楽天オーネットでマーケティングの担当している岡田氏が登壇。約1年間にわたるマルケト活用とその成果を共有した。
広告で獲得したリードが失われていく……
楽天オーネットは、楽天が展開する結婚相談所サービス。全国に約48,000人の会員がおり、お見合いや婚活パーティー、データマッチングサービスで出会いの場を提供することで、年間5,000人のカップルを誕生させている。
マルケト導入前の同社では、新規会員獲得のために3段階のセールスフローを取っていた。第一段階では、マーケティング部が広告でリードを獲得。第二段階でコールセンターがリードに電話をかけて来店アポを取り、第三段階で店舗での顧客化を実現するというフローだ。
ところが、これには大きな問題があった。それは、せっかく広告で得たリードが、第二段階の「来店アポ取り」でほとんど失われてしまうこと。楽天オーネットの会員になるためには来店が義務付けられているが、「誰かいい人に出会えればいい」「婚活するか悩んでいるが、情報収集はしたい」といったライトな層にとって、来店はハードルが高い。
「婚活や結婚に対するレベルは様々であるのに、どの方にもすべて同じ『来店しませんか』というメッセージを送っていました。アプローチの期間も『リード獲得後1ヵ月』と非常に短かったので、態度変容を起こすための時間も取れません。また、電話のみでアプローチしていたので、取り逃してしまっていた層も多かったのです」と岡田氏は、以前の課題を話した。こうして同社では、セールスフローを全般的に見直すこととなった。