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MarkeZine Day 2018 Autumn(AD)

導入1年目、3人のプロジェクトチームで成果を上げる楽天オーネットのマルケト活用術

最終的なビジネスゴールとKPIは、必ずしも一致しない

 導入後のPDCAについては、毎月成果を見ながら配信時間、配信内容、配信頻度を確認。最終ゴールである「来店アポの獲得」というゴールとKPIがズレていないかを確認するために、メールの開封率やクリック率、行動履歴をフォローすると同時に、リードのステータスが引きあがっているかどうかを毎月確認している。施策の効果検証におけるポイントについて岡田氏は、「細かいKPIに沿って一つひとつの施策の成果を確認することが重要」と指摘する。

 岡田氏がこのように話すのは、KPIの一つである「メールの開封率」と、最終ゴールである「来店アポ」の数値にズレに苦戦した経験があるからだ。

 具体的には、メールでのアプローチ施策の効果検証をする中で、メールの開封率が最も高いのは朝に配信したメールであったが、来店アポにつながった率が高いのは、夜に配信したメールであることがA/Bテストから判明した。最終ゴールは「メールの開封」ではなく「来店アポ獲得」であるため、その後はアポにつながりやすい夜にメールを配信するようになったが、この経験から効果検証における細やかな成果確認の重要性を認識したという。

 こうしたPDCAによって得られた成果の中で顕著なのが、「売上への貢献」だ。マルケトを使った施策を2017年7月に開始してから2018年4月までの10ヵ月間の推移を見ると、全契約数のうちマルケト経由で契約に至った件数は、0.3%から5%にまで上昇。また、契約件数をメールの開封率で割った転換率(CV率)も、開始当初と比べると3倍になっている

 加えて、コールセンターの工数削減にも貢献している。コールセンターで行っていたメール配信をマルケトで自動化したことで、工数の35%を削減できたそうだ。

 「成果を出せたのは、MAツールによって無駄な時間を取られず、戦略立案やPDCAを回すことに注力できたことが大きく影響していると考えています。マルケトの場合、メールのテンプレートも豊富なので、デジタルのノウハウがなくてもメールを作って施策を回していくことができます。また、技術的なノウハウがなくても分析やレポートが容易にできるため、本来の業務に集中することができました」(岡田氏)

MA導入成功に立ちはだかる「部門間の連携」で大切なこと

 さらにMAツールを導入する際、多くの企業で問題となる「部門間の連携」についても岡田氏は言及した。楽天オーネットの場合、「部門間の連携」をクリアできたポイントは、マーケティング部門だけですべてを管理するのではなく、横串で運用体制を作ったことにある。導入時に開発部門を巻き込んでデータの連携や仕様などを使いやすいように開発し、運用においてはリード引き上げのミッションをもつコールセンターとの連携を強化したのだ。

 コールセンターとの連携強化においては、お互い追っているKPIが違うため、何度もミーティングを重ね、MAツールを活用する施策への理解を得ていった。こうした取り組みの結果、組織全体で「成果を出す体制づくり」が実現したという。

 最後に岡田氏は、MAツール導入のポイントとして「スモールスタートで実施すること」「細かいPDCAを繰り返すこと」「成果を出して、関連する部門からの信頼を得ること」の3つを挙げた。マルケト導入の2年目は、営業やコールセンターともより深く連携し、新しいリード獲得のプロセスや育成フローの確立を目指している。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/12 10:00 https://markezine.jp/article/detail/29356

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