社員へのツール啓蒙で重要なのは「技術支援だけで終わらない」こと
また、ツールの導入には、「実際に使ってもらえない」「社内への啓蒙が難しい」という課題も付いて回る。
こうした壁をクリアするため、同社では、Domo活用を推進するプロジェクトチームを発足。同チームは、マーケティング アナリティクス ユニット内に置かれ、Domoのサポートを行っている。そして、このチームのポイントは、技術支援だけで終わらないことにある。
「プロジェクトチームの重要な役割は、Domoを活用するきっかけを作ってあげることです。そもそも現場では、データ活用やデータの可視化とはどのようなことなのか、どのようなレポートが必要なのかが理解されていません。ですのでプロジェクトチームは、具体的にデータ活用の意義・ノウハウを伝え、Domoを活用するきっかけや機会を生み出しています」(山田氏)
Domoを使いこなすDomoマスターも各部署にいるが、責任者や理解している人だけが使うのではなく、社内でDomoのファンを作り、活用する環境を整えることが重要と山田氏。
確かに、トップダウンでデータ活用を訴えても、現場はなかなか動かない。Domo導入のゴールは、毎日の業務に自然とデータ活用を取り入れ、その先の成果へつなげることにある。プロジェクトチームがきっかけを作り、Domoを使ってどのような表現・気づきを得たいかを自ら考え、実行できる人を増やしていく。このサイクルを上手く回すことがDomoを社員に活用してもらうためのポイントだといえる。
現場指標から経営指標まで網羅的なデータ取り込みへ
同社では、既に存在するデータの取り込みは完了している。次のステップは、「社内外のデータを拡充すること」だ。さらに、現場指標から経営指標まで網羅的に使えるようなデータの取り込みも進行中である。
「まだビジネスにおいて必要としているデータの1割しか取り込めていません。すべてを集約したときに、データの取り扱いは変わると確信しています」(山田氏)
今後は、個人管理のデータ集約にも着手する。そこから、データの統合だけではなく、日々のタスクやデータの管理方法、ツールの使い方など業務を見直す環境も整えていくという。データ活用がもたらす新たな可能性も覗かせ、セッションは終了した。
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