事業横断的なデータ活用を妨げていた、2つの問題点
2017年4月、同社は全事業を横断的につなぐ専門のマーケティング組織を設立。並行して、事業を横断したデータ活用の推進・啓蒙の推進と、それを支える分析基盤の整備を目的としたデータプロジェクトを立ち上げた。
プロジェクトの進行にあたり、事業ごとにデータ活用の状況を洗い出してみると、2つの課題が浮き上がった。1つ目は、事業部やサービスごとに利用しているBIツールが異なること。2つ目は、独自開発のWeb管理ツールの機能性が低いことだ。さらに、それらの補修・改修に多額のコストがかかっており、レポーティングにも時間がかかっていたという。
これらを解決するため、新しいツールの導入検討を開始。オンプレミスorクラウドサービス、無料or有料を問わず、あらゆるツールの調査・比較や利用ケースを検討した。加えて、現場や各部門にもヒアリングを行い、数ヵ月かけた検討の結果、Domoを候補に決定した。
「それぞれの事業が、各々で異なるデータベース・データソースを持っていました。それらを統合するためには、多数の製品と連携する実証実験が必要になります。さらに、パフォーマンスやユーザー管理なども含めて、実用に耐えうるかの検証も行いました。そうしてようやく、昨年12月にDomoの採用が決定したのです」(山田氏)
導入検討から採用まで半年以上もかけて綿密な検証を続けたエイベックスからは、実用性のあるデータ活用に取り組む強固な姿勢がうかがえる。
普段の業務で行うのは「深掘り分析」でなく「定点観測」
では、なぜエイベックスは数多くある分析ツールの中からDomoを選んだのか。その理由について山田氏は、データ活用を「深掘り分析」と「定点観測」の2つに分け、その違いを説明した。
「データサイエンスの領域で行われる深掘り分析には、仮説・課題を基に検証していくプロセスが求められます。一方、定点観測はデータで日々の動きを追いながら変化を見出し、アクションにつなげる必要があります。
もちろん、ビジネスユーザーが普段の業務の中に取り入れる作業は、定点観測のほうです。彼らが日常的にデータを活用するには、美しく表現力のあるビジュアライズが必要となります。それを可能にするのが、Domoでした」(山田氏)
前述したように、エイベックス社内には様々なツールとデータ形式があり、すべてを集約するためのコネクタが必要だった。Domoはマーケティング領域だけでも、Google Analytics、Adobe Analytics、Hub Spotなどと多様に対応しており、全体で500種類以上のコネクタを持っている。この接続先の豊富さもDomoを採用した決め手になったと山田氏。
さらに、シンプルで優れたUIによる操作性も理由に挙げた。これまでデータソースを組み合わせてレポートを作成するには、SQLでデータを取りだすことが必要だった。しかし、DomoのETLという機能を使うと、GUIで簡単に複数のデータソースを組み合わせ、レポートを作成することができる。実際に、初めて分析業務に関わった入社したての若手社員も既に実用的なレベルで使いこなせているという。
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