データドリブン組織を作る4つのポイント
佐藤氏は1990年に花王に入社。キャリアの前半をIT部門でSEとして活動し、後半はマーケティング部門でデータ分析を行っている。花王では2004年にデータ分析専門のチームを設立することになり、その際に招集されたメンバーの一人だ。

では、自社でデータ分析組織を立ち上げようとした際、何からはじめるべきだろうか。佐藤氏は、「『データ・ドリブン・マーケティング』(ダイヤモンド社)でも触れられていることですが」としながら、4つのポイントを紹介した。1つ目は「小さくはじめること」。次に「新しいことを試す」。そして「賛同してくれる仲間を見つける」こと。最後は「経営陣の強い賛同を得る」だ。
「自分自身も環境を作ったり、ステークホルダーを巻き込んでいくのに数年かかりました。専門チームを機能させていくためには、トップダウンとボトムアップの両方が必要で、幸いにも花王にはそれがありました」(佐藤氏)
LDH JAPANのCDOになった長瀬氏が考えていること
日本ロレアルのCDOとして活躍してきた長瀬氏が、EXILEなどの所属事務所であり総合エンターテインメント企業であるLDH JAPAN(以下、LDH)に移って約2ヵ月。長瀬氏は今の状況を、「LDHでは、飲食店もファッションブランドもいくつもあるし、ステージもある。最近ではウェディングもはじめました。タッチポイントが多くデータの種類も豊富。データを使って何をやるかワクワクしている」と語る。

佐藤氏同様に「(生活者の)建前という部分はもういらないと思っている」としながらも、「ソーシャルはすべて建前だと思っている」という持論を展開した。
「Instagramに投稿されている写真なんて建前ですよね? 投稿者が匿名であるとしたらその時点で信頼度が低いと思っています。そこでデータドリブンしたくない。建前ではないところのデータが欲しい」(長瀬氏)
では、長瀬氏の考える建前ではない生活者のデータとは? それを計測する方法とはなんだろうか。