SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine Day 2018 Autumn(AD)

縮小傾向の年賀状市場でEC売上114%を達成!富士フイルムの“育てる”コンテンツマーケティング

 2018年9月に開催された「MarkeZine Day 2018 Autumn」2日目のセッション「“育てる”コンテンツマーケティングでEC売上114%を達成した富士フイルムの戦略」では、富士フイルム角田旬氏とFaber Companyの月岡克博氏が登壇。年々発行枚数が減り続ける年賀状市場において、なぜ富士フイルムは売上目標を達成することができたのか? 成功の裏にはFaber CompanyのSEOプラットフォーム「MIERUCA(ミエルカ)」を活用したコンテンツマーケティング戦略があった。セッションでは、施策ノウハウと成功に導いたチーム体制が語られた。

ユーザーの検索体験を意識したコンテンツ設計を

月岡:Faber Company(以下、Faber)の月岡と申します。このセッションでは、富士フイルムの角田さんと一緒に、弊社のコンテンツ&SEOプラットフォーム「MIERUCA(ミエルカ)」を用いて、EC売上増に貢献したコンテンツマーケティングについてお話をいたします。

角田:富士フイルムe戦略推進室の角田です。e戦略推進室は、各事業部を横断する組織として、グループ全体のデジタルマーケティングの統括を行う部署です。本日は、年賀状商戦におけるコンテンツ施策についてご紹介いたします。

株式会社Faber Company エグゼクティブ・マーケティング・ディレクター 月岡 克博氏(左)/ 富士フイルム株式会社 e戦略推進室 角田 旬氏(右)
株式会社Faber Company エグゼクティブ・マーケティング・ディレクター 月岡 克博氏(左)
富士フイルム株式会社 e戦略推進室 角田 旬氏(右)

月岡:まずは、改めてコンテンツマーケティングについて考えたいと思います。コンテンツマーケティングには色々な手法や種類があるかと思いますが、「バズらせる」ということに注目が集まるように感じます。ですが、私はコンテンツマーケティングの本質は「有益なコンテンツを発信し、顧客と継続的な関係を維持し、最終的な利益へつながる行動に移してもらうよう働きかけていくこと」だと考えています。

 今回は「検索」というチャネルを軸としたコンテンツ施策の話になるのですが、ここでも「ユーザーを想うこと」が重要になります。従来の検索領域、つまりSEOの施策は、タイトルタグにターゲットキーワードを入れるなどテクニカルなものが主流でした。しかし、検索エンジンは進化を続けており、今や語句が含まれているか否かではなく、検索キーワードの裏側にある意図や意味を理解して、検索結果を表示するようになっています。

角田:たとえば「バレンタイン お返し」と検索したとき、ユーザーの検索意図を「ホワイトデー」だと認識し、タイトルタグの文言に関係なく、関連するページを表示しているんですよね。

月岡:そうなのです。つまり、“どんなユーザー”が“どのようなシーン”で“何を知りたい”のかという「検索意図」を理解した上で、コンテンツの企画設計を行わないと、ユーザーへコンテンツを届けることができなくなってきているんです。では、このお話を踏まえて、富士フイルムさんのコンテンツ施策について、お話をうかがっていきましょう。

縮小市場で成長する富士フイルムのコンテンツマーケティング

角田:まずは、年賀状市場についてお話します。年賀状は季節商戦ですので、テレビCMなどのマス広告が中心でした。中でも写真年賀状は、結婚や出産などのライフイベントに影響を受けています。短期商戦ならではのマス施策を展開しながらも、ライフステージごとのターゲティングを明確にし、プロモーションを行う必要があると考えていました。

月岡:年賀状市場全体が縮小する中、富士フイルムさんの昨年実績は、オンラインでの年賀状申し込み数が前年比114%、そして自然検索流入が同172%と大きく伸ばされました。それを支えた施策のひとつが、コンテンツマーケティングです。角田さんには、なぜ検索チャネルを強化したのか・インハウス体制構築・コンテンツの育て方、この3つについて詳しくお聞きしていきます。

角田:まず、なぜ検索チャネルを強化したのかについてお答えします。元々良質なコンテンツをもっていましたが、年賀状は大衆化している分、競合も多く、広告集客での費用対効果が伸び悩んでいました。そこで検索チャネルを強化するため、コンテンツを活用していく施策へ注力する必要があったという背景があります。

月岡:ユーザーの検索意図について、少し補足をします。ユーザーの検索クエリは、インフォメーショナルクエリ(情報収集段階)、指名検索などを含むナビゲーションクエリ(案内型)、コンバージョンに近いトランザクショナルクエリ(取引型)と呼ばれる3つに分けることができます。

 年賀状で表しますと、トランザクショナルクエリは「年賀状 販売」「年賀状 印刷」のように、年賀状を出したいという意志がある検索。この検索をするユーザーには広告でリーチするのが最適でしょう。しかしボリュームが圧倒的に多いのは、「年賀状 一言」「年賀状 いつまで」などの、インフォメーショナルクエリなんです。

角田:おもしろいと感じたのは「年賀状 いつまで」が、時期によって検索意図が違うこと。年内であれば「いつまでに投函したら元旦に間に合うか?」であり、年明けは「年賀はがきは、いつまで出していいのか」などが考えられます。このような検索意図を踏まえ、コンテンツ施策を実施してきました。

次のページ
少人数のインハウス体制で、スピーディーなPDCAを実現

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
MarkeZine Day 2018 Autumn連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2018/11/14 12:23 https://markezine.jp/article/detail/29405

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング