契機となったハンズネットのリニューアル
――東急ハンズへの転職は、どのようなきっかけが?
チームラボに在籍していた当時、私は東急ハンズネットストアのリニューアル担当をしていました。クライアントの東急ハンズ側は長谷川(元・ハンズラボ株式会社代表取締役社長・長谷川秀樹氏)が責任者で、何かと関わることが多かったんです。付き合いとしては3年くらいですね。長谷川からの「こんなことをやりたい」というチャレンジングな提案に対して、私は「そうですね」と言いつつ、現実的な落としどころを探るというやりとりをよくしていました。
2012年12月に無事リニューアルしたサイトをリリースすることができました。そのあとでチームラボを退職することを伝えたところ、長谷川さんから「東急ハンズを受けてみる?」と声をかけられたんです。これが、東急ハンズ入社のきっかけとなりました。
正直な話をしますと、結婚して家庭を持ちたいという希望があり、東急ハンズの働く環境に惹かれました。東急ハンズは働き方が柔軟で、理想的なワークライフバランスが保てるという印象がありました。もう1つの理由として、事業者サイドからサービスに関わってみたかったんです。前職ではいくつかECサイトの構築を担当しましたが、制作会社の立場では機能の提案止まりになりますし、サイトを納品することがゴールです。そのあとサイトはどうだったか、ビジネスは良くなったのかなどの実感を持つことがあまりありません。ユーザーの反応を見ながらサービスを改善していくことに挑戦してみたいと思い、入社を決めました。まずはネットストアを2年担当し、産休・育休を経て、2016年に現在の営業企画部・販売促進グループへ異動しました。
東急ハンズの存在意義を常に考える仕事
――現在の主な業務内容は?

営業企画部は、店舗支援の部署です。私の所属する販売促進グループでは、店頭のしつらえやPOP、季節売場の企画や宣伝などの業務があり、その中で私はネットストア以外のデジタル施策を担当しています。FacebookとInstagramアカウントの運用、オウンドメディア「ヒントマガジン」「バイヤーマジ押し」などのコンテンツ編集を通し、店舗への集客をサポートすることがミッションです。店舗で行われるキャンペーンや、夏休み・ハロウィンなどシーズンごとに作られる売り場に合わせて、特設サイトを公開することもあります。SNS広告を中心とした出稿プランニングも行い、フォロワー数やサイトのPV数などを指標として施策を進めています。
――どんなことに、仕事のやりがいを感じますか?
数字の実感を持って、自分で主体的に動けることです。異動したばかりのときは、既に決まっている企画に合わせて受け身的にサイトを作っていたのですが、それだけだとおもしろくない。自分から企画会議に参加して、積極的に動くようにしました。たとえば今年のハロウィンは、Pinterestさんと組んでパーティーデコレーションを楽しむイベントを行いました。企画段階のときは東急ハンズ単体のイベントを考えていましたが、もっと盛り上げたいなと思って、Pinterestさんとの取り組みを提案したんです。先方とはTwitter上でのつながりだけだったのですが、快く受けていただけました。
また、オウンドメディア「ヒントマガジン」は2017年4月からスタートしました。自ら企画できる自由度が高い分「伝えるべき東急ハンズ像とは、なんだろう」という視点を持つようになった気がします。ネットストア担当のときは、KPIがEC単体の売上だったこともあり、あくまで東急ハンズのECサイトをどうするかという視点で運用していました。店舗とECでは売れるものが違ってきますし、店舗のことまで頭が回っていなかったんです。今は東急ハンズの全体像を考えた施策を実行しなくてはならないため、より仕事がおもしろくなったなと感じますね。もっと、店舗との協力体制や情報共有を強めていきたいです。