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ブランドはお客様と一緒に創っていくもの スノーピークのコミュニティ施策の裏にあったストーリー

オンラインコミュニティもリアルイベントで広まっていった

 SNS上で様々なコミュニティに属するのが当たり前になっている現在では、多くの企業がオンラインを活用したコミュニティの運営に取り組んでいる。だが、スノーピークは1993年とかなり早い段階から、オンラインでもコミュニティを運営してきた。現在は、Facebookグループで管理・運営しており、グループ内ではユーザー同士で活発にやり取りがなされている。

 オンライン上でのコミュニティを活性化させるコツとして、高井氏は「リアルとの連動」が大事だと話す。

 「オンラインコミュニティの存在は、リアルイベントでのお客様同士の口コミで知られていきましたリアルなキャンプイベントとWeb上のコミュニティを連動して運営することで、よりお客様との接点を持つことができ、熱狂的なファンが生まれていったと思います」(高井氏)

 また、松澤氏はスノーピークのコミュニティに見られる「階層」に成功の要因を見出す。ユーザーのエンゲージメントの度合いによって、コミュニティの中に階層を作ることは、重要なポイントだからだ。スノーピークでは、ポイント会員システムで、この階層化を実践している。

 「現在、スノーピークのポイント会員数は30万人を超えています。利用実績を基に、会員のランクをレギュラー/シルバー/ゴールド/プラチナ/ブラック/サファイアの6つに分けています。このランクによって、購入時のポイント付与率と受けられるサービスが変わっていくという仕組みです。また、我々がロイヤルカスタマーとして位置付けるブラックカード会員以上のメンバーのみが応募・参加できるイベント『Snow Peak Way Premium』を年に3回開催しています」(高井氏)

お金だけでなく「人」のコストも

 コミュニティマーケティングに取り組んでいる、あるいは取り組もうとしている多くの企業が気になるのが「コスト」の問題だろう。スノーピークは、先述したように、広告コストを削ってユーザーとのイベントを開催し始めた。だが、コミュニティの運営にかかるのは、金銭的なコストだけではない。人的リソースの面でもかなりのコストがかかっている

イベントでは、テント設営を直接教えたり、ワークショップを開いたりする
イベントでは、テント設営を直接教えたり、ワークショップを開いたりする

 「1回のイベントには、100~150組のお客様がいらっしゃいます。『Snow Peak Way』では、ワークショップも実施しますので、30名ほどのスタッフで対応する必要があります。さらに『Snow Peak Way Premium』は、お客様400名に対して、50名ほどのスタッフで実施します。夜は焚火を囲みながら、直接お客様とコミュニケーションを取ります」(高井氏)

 イベント期間は、エリアによっては店舗を閉じる場合もある。イベント期間の日次の売り上げは減少する傾向があるそうだが、これも戦略的な「コスト」のうち結果的には、こうした取り組みが売り上げにつながっていくという考えだ

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ブランドはお客様と一緒に創っていくもの

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大木 一真(オオキ カズマ)

モジカク株式会社 代表取締役。株式会社サイバーエージェントに新卒で入社し、Webメディア「新R25」の立ち上げにディレクター兼編集職として参画。Webマーケティングを手掛ける株式会社AViC(2022年7月に東証グロース市場へ上場)の創業期に参画し、執行役員を務める。2019年1月にBtoBサービスやSaaSの導入事例の制...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/29534

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