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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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定期誌『MarkeZine』特集

FinTech入門〜テクノロジーで広がる新たなビジネス

 IT業界を筆頭に、FinTech事業に参入する企業が増えている。マーケティング業界へ与える影響も踏まえ、理解を深めておきたい分野だが、「領域が広く、どこから理解をしたらよいかわからない」という声を聞く。本稿では、現在のFinTechを代表するサービスを11のカテゴリーに分けたカオスマップを紹介。銀行を中心としたお金の流れとともに、各サービスについて解説する。

※本記事は、2018年11月25日刊行の定期誌『MarkeZine』35号に掲載したものです。

FinTechベンチャーがもたらす衝撃

 昨今、数多くのFinTechベンチャーが登場しています。破壊的イノベーションという言葉に見られるように、ベンチャーは旧来のビジネスに対し驚異的な存在として描かれることがあります。ならば、金融業界においても同様だろうか? と考えたくなりますが、大きく危機感を抱いてはいなさそうです。金融は良くも悪くも規制産業なので、法律により気鋭のベンチャーが思い切ったことをできないという現状があります。

 一方で、金融業界とひとくくりに言っても、銀行、証券、保険と様々なジャンルがありますが、共通の課題の一つに、新規顧客としての若年層が取り込めていないことが挙げられます。

 若年層が、銀行口座やクレジットカードを作るきっかけを考えてみましょう。おそらく、初めてのアルバイトや就職先で、給与振り込みの口座を指定された銀行で作ることがほとんどではないでしょうか。また、親が作った口座をそのまま使っているケースも考えられます。さらにクレジットカードも、偶然性が強いです。使っている銀行の窓口で銀行系カードを作る、ふとした買い物のときに勧められ、流通系のカードを作るといったケースが多いでしょう。

 一方で楽天カードは、テレビCMで一気に知名度を上げ、若年層への認知度も高いです。つまり若年層は、乱暴な言い方をしてしまうと「テレビで見た」「買い物先で偶然知った」「なんとなく」で金融商品を選択し、あまり比較はしないのです。さらにデジタルシフトが牽引するライフスタイルの変化も重なり、彼らをターゲットとしたマーケティングに課題を感じている企業は多いのです。

 一方、FinTechベンチャーのサービスは、アプリやオンラインが中心。従来の金融機関が提供するサービスよりも身近で便利な点が若年層に支持され、ユーザーとして取り込んでいます。今後、このような点を評価した銀行が若年層を抱えるベンチャーとともに、ビジネスを展開していく動きが出てくる可能性は高いでしょう。

 具体例として、既に資産運用のWealthNaviは、SBI証券や住信SBIネット銀行との商品を提供しています。ベンチャー側にとっても、大手ブランドとの提携による認知拡大や、新規顧客の獲得に実店舗や窓口が活用できることは強みとなります。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/26 13:15 https://markezine.jp/article/detail/29703

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