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統括編集長インタビュー

経営統合、それは結婚だ―VOYAGE GROUP宇佐美氏が描くCCIとの初めの一歩


スーツ×ギークで「婚前契約」を作成中!?

押久保:CCIさんの印象は?

宇佐美:ちょうど先日、お互いの幹部層が20人ぐらいずつ集まって、初めてのキックオフをやりました。右側のCCIさんは、皆さん明らかにスーツにネクタイ。左側のVOYAGE GROUP は、シャツ、ジーパンで、パーカーもいるし……。そういう感じでした。よく言われるスーツとギークじゃないけれど、本当に違う会社同士なんだなと。でも、違うからこそ1+1が2じゃなくて、3にも5にも10にもなれるんじゃないかという可能性も改めて感じました。

 我々から見るとCCIさんが持っているアセットは、宝の山に見えるんですよ。顧客基盤がしっかりしていて、ネット広告領域での存在感もお持ちですし、もっといろいろできるんじゃないのと。CCIさんも我々に対して、あれもやりたいこれもやりたいと言う。ある意味、結婚前なのでまだ見えていないところがあるのかもしれないですが(笑)。

押久保:言われてみれば、まさに結婚のようですね。

宇佐美:結婚したら悪いところがどんどん見えてきたりすることもありますが(笑)。だから今の段階から中期経営計画を一緒に作っています。いわゆる婚前契約ですね。「一緒に2人で、ここを目指してやっていきましょう」というのを決めて、苦しいことがあっても、こういうふうに約束したよね、と。年明けには、2社集めての合同キックオフをやる予定です。

押久保:経営統合を発表された際、「新しい自社プロダクトの開発を進めていく」ことも同時に示されていましたが、具体的に想定している商材はありますか?

宇佐美:まさにこれから、というところではありますが、まずは我々のプロダクトをカスタマイズして、CCIさんの広告主さん、メディアさんに提供したいと考えてます。広告主さんやメディアさんの生の声をベースに、プロダクトを磨いていったり、新たなプロダクトを開発していく想定です。やりたいことはたくさんあるのですが、まずは手元で見えている課題やニーズをちゃんと解決していって、次のステップで新しいプロダクト開発に着手していくようなイメージですね。

ネット広告の領域で圧倒的な存在に

押久保:最後に、今回の経営統合を経て何を実現していきたいのか教えてください。

宇佐美:経営統合によって、当社とCCIさんの売り上げを期初ベースで合算すると1,200億~1,300億円くらいになるでしょうか。そうすると、日本のネット広告の8%~10%くらいの取扱高になると思います。まずは両社の力を合わせて、新しいプロダクトを出しつつシェアを高め、ネット広告領域において圧倒的な存在感をもつ会社にしたいです。

 その上で、広告が流通できる仕組みやプラットフォームができれば、それらを使って新しいビジネスが広がってくると思うので、新しい事業開発もできるだろうと。ネットの可能性はまだまだ大きいと思いますし、ネットとオフラインが重なり合ってくる中で、そういったところも事業領域として広がってくると思います。

 そして今回の経営統合は、ネット広告領域で上場している企業に対して、「こういう組み方があるんだ」というのを示せたのではないかと思います。日本の上場企業は比較的、小粒の上場が多いという話も聞きます。当社の今回の取り組みによって、各企業の経営者が「それで本当によいのだろうか」「もっと大きな世界観を描けないのか」「どういう時間軸でやっていこうか」と考えるようなきっかけになれば嬉しいですね。

 ネット企業同士が一緒になることもあれば、今回のような文化の違う会社同士が一緒になったりすることで、化学反応が起こるのではないでしょうか。もちろん、私たちとともに歩んでいきたいと思われるのも、大歓迎です。

押久保:デジタルとアナログ、ネットとマス……境界線が曖昧になっている時代を象徴するような、経営統合だと思います。今後どのような展開を見せていくのか、楽しみにしています。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/21 18:17 https://markezine.jp/article/detail/29706

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