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大事なブランドに保険かけてますか?IASのグローバルトップが語る、アドベリの現状

広告主、メディア、エージェンシーはどう対応するべき?

――先述のトレンドを踏まえ広告主、メディア、エージェンシーの3者はこの問題にどう向き合い、動いていくべきしょうか。

 広告主に関しては、もちろんエージェンシーとの協力関係も重要ですが、広告主側でも積極的にアドベリフィケーションを推進していく必要があります。対応しなければ、自身のブランドが傷つき、広告予算も無駄となってしまうわけです。その点を考えれば、アドベリフィケーションへの理解とアクションは非常に重要だと思います。

 メディアに関しては、アドベリフィケーションの前提からご理解いただきたいのですが、アドベリフィケーションは質の悪いメディアに罰を与える仕組みではありません。どちらかと言えば、良質なメディアに健全かつ今以上の利益をもたらし、ビジネスを継続できる環境を作るためのものです。

 実際、パブリッシャー側からアドベリフィケーションのアプローチをして広告収益を増やすケースも増えているので、こういった仕組みを取り入れながら、良いコンテンツを制作することにフォーカスしていただきたいです。

 エージェンシーの方々も、これまでの指標にとらわれず、広告主の利益を出すために必要なKPIは何かを考えたプランニングをしていただきたいです。アドベリフィケーションを進めるにはエージェンシーの方が広告主の強い要望に応える力が必要になると思います。

アドベリフィケーションは保険

――日本では、なぜ広告主側がアドベリフィケーションツールを入れないといけないのか、という声もあります。一方、海外では広告主が自ら声を上げ、対策を講じているケースもあると思うのですが、その違いとはなんだと思いますか。

 1つは、アドベリフィケーションのメリットを理解しているかどうかの違いだと思います。

 私たちはそのメリットを理解してもらうべく、どれだけの広告費が無駄になっているか、国内外の現状をお伝えしています。海外でも、ツールを導入することでどの程度広告予算の無駄をセーブできるかを実際にお見せしてご納得いただくケースが多いです。

 もう1つは、ブランドリスクに関して保険をかけるという意識の違いです。

 ブランドイメージは、金銭に換算すれば、とんでもない額の価値があります。広告が適切に掲載されないことでイメージが損なわれてしまうと、その損失は計り知れません。そして、メディアやエージェンシーが対応すべきと言っているだけでは何も解決しない上に、自分ごと化もできません。

 大切なブランドを自分たちが守るというスタンスで、アドベリフィケーションがなぜ本当に必要なのかを、今一度考えていただきたいです。

問題に目を向け、自ら行動を

――御社の今後の展望を教えてください。

 まずは現状の啓蒙活動と、アドベリフィケーションのマーケットリーダーとして活動をさらに推し進めていきます。そうして国内の広告主、メディア、エージェンシーの皆様とより広範囲なパートナーシップを築き、デジタル広告業界全体の健全性の向上を、パートナーの皆様と一緒に実現したいと願っています。また、国内だけではなくグローバルでの広告展開を考えている企業のサポートも積極的に行っていきます。

――最後に日本のマーケティング関係者の方にメッセージがあればお願いします。

 デジタル広告は非常に複雑で、取り扱いも難しいです。データも指標もたくさんある中で意思決定しなければいけない。ただ、日本の広告主が直面している問題というのは、グローバルの広告主も直面しており、日本だけの問題ではありません。そこに安心感、一体感を持って欲しいと伝えたいです。

 一方、今直面している問題に目を向け、自ら動く必要があることも意識しなくてはなりません。我々も引き続き、啓蒙活動や勉強会を通じた情報共有、サポートに注力していきます。アドベリフィケーションを通じて、デジタル広告のマイナスをゼロにするだけでなく、ゼロからプラスへ、効果を出せる環境を業界全体で作っていけることを期待しています。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/12/04 09:00 https://markezine.jp/article/detail/29773

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