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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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大事なブランドに保険かけてますか?IASのグローバルトップが語る、アドベリの現状

国内企業が広告を「正しく」測るには

――日本において、現状の課題はどこにあると思いますか。

 日本の消費者のデジタルシフトに対し、マーケターの対応が追い付いていない点ですかね。

 消費者がデジタルデバイスでメディアのコンテンツを消費する時間は確実に増えています。それに対応した広告出稿の仕方を考えなければ、伝えたいメッセージは届かず、企業の成長も鈍化してしまう、という状態が今後ますます出てくるでしょう。

――広告主が、デジタルシフトを進めていくために必要なポイントを教えてください。

 まず1つが、これまでダイレクトレスポンス目的の広告で用いられた指標が絶対ではない、ということを理解する必要があります。今までとは異なる指標で効果を測る意識を持つだけでも変わってくるでしょう。

 具体的には、トラディショナルなもので言えば、たとえばテレビCMで用いられているリーチやフリークエンシー、総閲覧時間などですね。こういった指標というのはデジタルでも活用できます。

 ただ、PCやスマートフォンで動画を見ている時と、テレビ番組を視聴している時では消費者の態度は異なるはず。その点を踏まえ、テレビCMなどで使われていた指標をデジタルにうまく適合していくことが大事です。

今後求められるアドベリフィケーションの形

――今後、アドベリフィケーションのトレンドはどう変化していくと思われますか。

 まず、計測範囲が広がるでしょう。現状ではアドベリフィケーションの計測対象はPC、モバイル、アプリなどにとどまっていますが、今後コネクテッドTV(スマートテレビ)や屋外のデジタルサイネージなどでも測ることができるようになっていくでしょう。アプリの中でも、現在SNSへの対応は一部にとどまっていますが、そこも広がっていきます。

 また、計測範囲が広がることでビューアビリティへの関心がますます高まるでしょう。インプレッションが多くても、実際には見られていないメディアがどんどん浮き彫りになっていく。海外では既に行われていますが、広告主とメディアで、何が最低限のビューアビリティなのかを決めるような動きが出てくると思います。

 そこからさらに、広告主の方々は、最低限のビューアビリティというのがすべてのメディアやキャンペーンで同一の価値ではないことに気づかれるでしょう。単純に「見られている」「見られていない」で判断せず、閲覧時間やキャンペーン中の閲覧人数などにフォーカスが移っていきます。

 そうなると、「コンテンツのクオリティが高いメディア=多くの人が長時間見る」ということになるので、より多くの労力をコンテンツにかけているメディアの価値が再評価されるようになります。

 メディアの価値が上がれば広告の単価も向上し、マネタイズが上手くいく。この流れが進めば、良いパブリッシャーが勝ち残る、健全なマーケットに変わっていくと思います。

次のページ
広告主、メディア、エージェンシーはどう対応するべき?

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/12/04 09:00 https://markezine.jp/article/detail/29773

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