全マーケティング活動を可視化し、パフォーマンス改善のインサイトを提供
加藤氏に呼ばれ登場したのは、「Datorama」の共同創業者であるカトリン・リバン氏。カトリン氏は、「Datorama」の機能について次のように述べる。

「Datoramaは、マーケティングに関するあらゆるデータを統合して一元管理することができるマーケティングインテリジェンスプラットフォームです。マーケティング活動全体の透明性を確保するとともに、AIがパフォーマンスを改善するためのインサイトを瞬時に導き出します。日々のマーケティングパフォーマンスの最適化をリアルタイムで行えるため、事業全体の成長を促すことができるでしょう」(カトリン氏)

カトリン氏は例として、「Datorama」を導入している資生堂ジャパンの取り組みを紹介した。資生堂ジャパンは、5つの代理店とともにマーケティング活動を行っている。そのため、広告の透明性確保が必須だった。しかし約20ブランドを持ち、年間400近いレポートを受け取っていた同社。データの一元管理はもとより、データ全体を俯瞰することは不可能だった。
そこで、5つの代理店とともに「Datorama」を導入。マーケティング活動全体の透明性が確保でき、日々のパフォーマンスを最適化できるようになった。同時に、「Datorama」という共通のデータ基盤を手に入れたことにより、代理店とともに「長期的なメディア戦略/メディア投資」を行うことができるようになったという。
メルセデス・ベンツ日本が進める、顧客中心のエコシステム構築
セッションの最後には、メルセデス・ベンツ日本 執行役員であり、同社のカスタマーエクスペリエンス部を統括しているゲルティンガ―剛氏が登壇。顧客を中心に据えた同社の取り組みを紹介した。

兼 カスタマー・エクスペリエンス部 部長 ゲルティンガ―剛氏
「当社はこれまで、『良い車を作れば売れる』という『商品中心』の考え方をしてきました。しかし、これからは『どれだけお客様に寄り添うことができるか』ということが、キーとなってくるでしょう。当社では数年前から『メルセデス・ベンツ 最も愛されるブランドへ』をビジョンとして掲げ、『Best Customer Experience』を企業活動の核とし、お客様を中心に据えたエコシステムの構築を進めています」(ゲルティンガ―氏)
同社はセールスフォースのクラウドを活用し、顧客情報(車両契約情報、キャンペーンやイベントへの参加、コールセンターへの入電履歴など)を管理し、顧客にとって最適なタイミング、チャネルによるコミュニケーションを進めているという。
セッション終了後、ゲルティンガ―氏への個別取材が実現した。同社が企業活動の核とする「Best Customer Experience」とは何か。詳細を聞いた。