マーケの最適化×営業のフォローでCVを死守
続いてのカギは、「杉内氏がもっとも効果があった」と語る体制についてだ。
現在ビズリーチは、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスという体制をとっている。各部門に詳細な役割分担を行い、それぞれの指標を追っている。

この体制を採用した背景には、まさにテレビCMの大量投下からの獲得最適化が挙げられる。検索ニーズ・リード対応・受注までの進捗管理の3つを確実にフォローし、受注の最大化を実現するためには、マーケティングの最適化と営業側のフォロー体制の2つを合致させ、管理する体制を整えることが重要なのだ。
そしてマーケティングの最適化でまず取り組んだのは、サイトやLPをはじめとした導線の点検と改善だった。
「以前は『ビズリーチ』と検索すると、求職者向けのページやコーポレートサイトが表示されるなど、企業向けに最適化されておらず、お客様の温度感を無視したコールトゥアクションでした。そこで、検索ニーズからCVを取り逃さない導線設計やスマホ最適化といった改善を行いました」
また、プレイドのCX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」を導入し、Webサイト訪問者の分析やチャット対応も実現。さらに、BtoB商材特有のリードタイムの長さに対しては、MAを用いて顧客をスコア化するなど、各種ソリューションの導入・活用で、効率良く営業がフォローできる体制を整えた。
さらに、インサイドセールスチームとフィールドセールスチームとの連携を強化。インバウンドで入ってきたリードをインサイドセールスがフォローし、適切な商談アポイントメントを設定。そこからフィールドセールスが引き継ぎ、受注へつなげるというフローを構築することで、全体でかかる工数を分散した。
インサイドセールスを機能させたい方必見のフェーズ管理
マーケティングと営業をつなぐ役割として大きく注目されている、インサイドセールス。杉内氏はその重要性を次のように説く。
「ビズリーチでは、受注率が高い特定の経路からのホットなリードは5分以内にインサイドセールスが対応し、フィールドセールスチームへつなげています。マーケティングからのリードを育て、受注につながるものにする上で、インサイドセールスは欠かせません」
しかしながら、組織を作れば良いということではない。とかくリードから受注までの間は、案件が管理しきれず、ブラックボックスになりがちだ。その課題に対しビズリーチでは、セールス案件のフェーズ管理を取り入れている。商談の見極めからクロージングまでのステップを8段階に分け、顧客のステータスを視覚化したのだ。

「セールスマネージャーとしても、リードがどこで止まり、失注したかのボトルネックがわかります。さらに営業担当ごとに得意・不得意ステップが見えるため、マネジメントにも活用できるのです」
マーケティングチームとセールスの連携により、インサイドセールス経由の売上は全受注金額の50%を占めるほどになった。「インサイドセールスを設立したことの意味は、非常にある」と杉内氏は語る。