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大量生産型マーケ時代の終了へ――元花王・現アウトブレインの本間氏が「広告の本質」を説く

2019/01/08 11:00

 アウトブレイン ジャパンの5周年を記念した5本特別連載の第4弾。今回は、2018年より同社の顧問に就任した、元・花王のマーケター本間充氏にインタビューを行った。かねてより、コンテンツレコメンデーションに関心が高かったという本間氏。企業のマーケターとベンダー両方の視点から、Web広告業界全体の展望と、アウトブレインが提供する独自の価値について語っていただいた。

広告主とベンダーをつなぐ「通訳」のような存在に

――はじめに、本間さんがアウトブレインの顧問に就任された経緯をうかがえますか?

アウトブレイン ジャパン株式会社 顧問 本間充氏
アウトブレイン ジャパン株式会社 顧問 本間充氏

本間:みなさんご存知の通り、デジタルマーケティングの業界では、毎日のように各ベンダーから新しいネット広告やWebソリューションが登場し、アップデートを続けています。ですが、それらに関する情報を広告主側が追いきれていないというのが現状です。そこで、いちメーカーのマーケティングを担ってきた者として、情報を伝える通訳のような存在になりたいと思い、ベンダーであるアウトブレインに参画することを決めました。

――花王にいらっしゃった頃、アウトブレインのソリューションをどう見られていましたか?

本間:アウトブレインが日本に参入した頃から注目していましたし、コンテンツレコメンデーションの進化を見届けたいと思っていました。適切なキーワードの検索が求められる検索広告に対し、レコメンドウィジェット型の広告は、雑誌に近いもの。自分の好きなメディアの中で、興味のある広告コンテンツとの出会いを促せる広告です。

 もともと、広告にはこのような緩やかな偶然性がありました。アウトブレインをはじめとしたレコメンドウィジェット型広告は、そこに面白さがあり、市場としても伸びる余地しかないとワクワクしながら事業に携わっています。

「広告費」を再考しませんか

――顧問就任から約1年が経ちましたが、ベンダーの立場になってみて感じたことはありますか?

本間:改めて、ベンダーから広告主へ情報を伝えきれていなかったことを感じましたね。

 4~5年前のネット広告業界は、全体的に広告技術へ目が行き過ぎていました。たとえば、検索アルゴリズムの変化や新しいSNSへの対応方法など、技術を中心とした話題に関心が集まっていたことを、みなさんも覚えていらっしゃるかと思います。もちろん、技術を理解するのは良いことですが、広告で本来重要視されるべきなのは「誰に・どんなことを・どんな方法で届けるのか」です。

 そうして技術を優先してきたことで、Webメディアの収入源である広告の価格に入札の概念が取り入れられました。さらにこの結果として、マネタイズができているWebメディアが少ないという現状がある。そもそもマスを含め広告費には、メディアに対するスポンサーシップも込められています。しかし「Webの広告費=顧客獲得のコスト」という考え方が強いのも事実でしょう

 良質なプレミアムメディアには、その質を評価するユーザーやファンがいるものです。広告主がメディアの付加価値にも投資をしないと、良質なメディアは生まれませんし育ちません。広告費の効率化だけに集中すると、結果的にWeb広告は健全な成長ができなくなってしまうのではと懸念しています。


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