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サブスクリプションモデル大解剖

マーケティング=広告ではなくなっていく/西井敏恭氏が聞いた「NewsPicks」が支持される理由

デジタル起点のメディアが生み出す付加価値

西井:メディアのサブスクリプションについて考えると、新聞・雑誌などの定期購読との違いはどこにあると考えていますか?

菊地:単にニュースや記事を配信するだけでなく、そこに付加価値を上乗せできるかどうかが、今までの定期購読とサブスクリプションの違いではないでしょうか。

 NewsPicksの場合、付加価値の1つ目が、ニュース・記事に対する多角的な視点を得られることですね。プロピッカーの意見はもちろん、時にはニュースの当事者や現場に近い方からのコメントにより、違う視点を得たり深く理解したりすることができます。また、コメントを読んで、本文記事に興味が湧くということもよく起こります。

 2つ目は、自分の好みを学習し、ニュースを探す手間を省力化していること。「マイニュース」機能では、自分が興味を持っている記事にいち早くアクセスできるように、Pick履歴やフォローするキーワード、ピッカーに応じて、集まるニュースがパーソナライズされています。

西井:新聞・雑誌などと比べると、メディアを運営する企業とユーザーの関係性が変わってきていますよね。膨大な量のニュースや記事にアクセスできるというだけでは、ユーザーは何を読めばいいのかわからない。

 当然、ビジネスパーソンたるものすべての紙面に目を通すべきなのかもしれませんが、「NewsPicks」は、テクノロジーやユーザー同士のコミュニケーションの力を活用することで、ユーザーが読むべきニュースや記事の重みづけをする役割を果たしているように感じました。おもしろいですね。

菊地:日本でも、近年ではニュースの発信元に対する信頼性に関心が向き始めています。そして同時に、第三者によるニュースや記事の評価・解釈を知りたいというニーズも高まっているように思います。「NewsPicks」は、そういったニーズに応えるために、ユーザーの集合知にアクセスできるプラットフォームを提供しています。

サービスの充実が有料会員の伸長に寄与

西井:なるほど。とは言え、「Pick」「コメント」「マイニュース」などの機能は無料会員であっても利用できますよね。有料会員の増加は、当然サブスクリプションのモデルを継続する上で求められることだと思いますが、無料から有料への転換を促すためにどのような施策を行っているのでしょうか。

菊地:「無料会員から有料会員への転換」には、メルマガなどの内部施策の他、広告ではリマーケティングを主に行っています。基本的に記事をフックにアプローチをしますが、「NewsPicks」内で人気のある記事と、広告での有料会員化につながりやすい記事は、必ずしも同じとは限りません。たとえば、3ヵ月前に公開した記事であっても、広告として高い効果を維持しているものもあるんです。

西井:広告運用と言えば、「A/Bテスト」「LPの改善」などが思い浮かびますが、「NewsPicks」の場合は、どの記事を広告として出すかによってPDCAサイクルを回せるということですね。

菊地:「NewsPicks」のユーザーは長期間利用される方が多く、アクセスも広告経由よりノーリファラーのほうが多くの割合を占めています。有料会員数はここまで順調に伸びていますが、何か1つの記事で大きく有料会員数が増加することはそこまでありません。無料会員としてある程度の期間を楽しんでいただきながら、何度か有料記事と接触する中で、「これらの記事を読むためなら有料会員になろう」と思ってくださるタイミングがあるのだと考えています。

西井:まずはメディアとして丁寧にサービス運営をしていくことが、有料会員を増やすことにもなるということですね。

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「ユーザー共創」はユーザーとの対話

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/02/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/30081

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