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統括編集長インタビュー

「みんな一緒じゃつまらない」テック業界注目の女性リーダー、リンダ・リウカスが思う多様性のあり方

ダイバーシティに正しい答えはない

――日本でもダイバーシティ・多様性の必要性が問われ始めています。リンダさんが関われている領域でも、その必要性は高まっているのでしょうか。

 私自身が関わっているテクノロジーの業界も大きく変化していますね。コンピュータサイエンスにも色々なアプリケーションが出てきています。1970年代には、「世界中でコンピュータは10台で十分」などと言われていたのが、現実にはそれぞれの業界でソフトウェアを作っていて、そうすると様々な人が必要になる。なので、テクノロジー面においても多様性というのが今重視されるようになっているのかなと思っています。

――リンダさん自身にとっては、ダイバーシティを受け入れることは自然なことでしょうか。

 ダイバーシティ自体は自然なものとして受け入れているのですが、同時に見えない部分があると思うんですね。ダイバーシティには正しい答えがないと思っています。

 たとえば私が見えていなかったことの例として、シリーズ最新3作目の『ルビィのぼうけん インターネットたんけん隊』(翔泳社,2018年12月)の中で、アジア系の子どもや、ブロンドの子どもたちのキャラクターを書いているのですが、ニューヨークで仕事をしたときに、実はスペイン人の子もいれば、黒人の子もいると当たり前のことがわかりました。絵本の中に、そうした子たちが出てこないことを非常に恥ずかしく思い、またすぐに変えなければと思いました。

 多様性は自分の中にあると認識しているのですが、やはり色々な人からのフィードバックも受けて、自分が気づかないところにも目を向け、オープンマインドを重視していかなければと自分に言い聞かせています。そのためにも、色々な国を旅し、文化に触れ、色々な意見に耳を傾けていきたいです。

 ダイバーシティに注目が集まることは、日本の企業にとって、グローバルのオーディエンスにアプローチをかけるチャンスではないでしょうか。現在テクノロジー企業といえば、アップル、フェイスブック、グーグル、アマゾン、ツイッターなどの名前が挙がりますが、もっと多様性があって良いと思いますし、ローカルならではの特徴をもった存在やサービスがあっても良いと思います。すべてがカリフォルニアから発信されるような時代は、早晩終わるのではないでしょうか。

「テクノロジーをアイデンティティに」の真意

――最後に、リンダさんは「テクノロジーをアイデンティティに」という考えを講演の中で話されていましたが、これからの世代、特に子どもを持つ親にとって、この考え方は胸に刻んでおくべきだと感じました。ぜひ皆さんにメッセージをお願いします。

 子供たちがもつ問題を解決する力というのは、子供たちの力を信じ、なおかつそれをサポートする社会の力を信じるということだと思います。同時にテクノロジーというのは、決して空から降ってきたものではなく、人間が作り出したものであり、人間の価値観や文化が組み込まれて作られてきたもの。

 だからこそ、テクノロジーの話を、単にパソコンやプログラミングの話というような一定の定義でくくってしまうのではなく、常に自分たちの解釈を見直してほしいです。そして多様なストーリーで、子供たちにテクノロジーを伝えていってほしいですね。

リンダ・リウカスさんの著作『ルビィのぼうけん』シリーズの特設ページ公開中です。ぜひご覧ください。詳細はこちらから。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/28 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30110

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