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私のキャリア

日本を元気にしたい! “地球で輝く”新世代のマーケターが描く未来

キャリアの再考から生まれたイスラエル女子部

――その商社への入社が、三木さんが運営しているイスラエル女子部を立ち上げるきっかけに?

イスラエル女子部の竹内さん(左)と後藤さん(右)、中央が三木さん(写真:本人提供)
イスラエル女子部の竹内さん(左)と後藤さん(右)、中央が三木さん(写真:本人提供)

 イスラエルの製品や技術を日本へ導入する同社が得意としていたのは、BtoBの領域です。一方私は、会社として実績の少ないEdtech・Healthtech・コネクテッドカーとBtoC製品の担当に。ノウハウやリソース、予算もない中で考えついたのは、自分がインフルエンサーとなってイスラエルの情報を発信することでした。そこから本業のビジネスにも興味を持ってもらえる機会が創出できるのではないかと考えたわけです。そのためには、ポジショントークとならないように任意団体を立ち上げるべきだと思いました。ただ、テクノロジー先進国としてのイスラエルの情報は多くの人が発信していたため、テーマとビジョンをよく考えなければなりません。

 そんな矢先、流産というとてもつらい経験をしました。悲しい反面、そのことで「これでまた仕事に全力で打ち込める」と少しホッとしている自分がいることもとてもショックでした。それだけ仕事を愛していたわけですが、やはり女性としてのキャリアについて向き合い方を変えないといけないと痛感しました。

 自身の経験も重ね合わせながら、イスラエルについて情報収集していると、イスラエルの出生率は3.11とOECD内ナンバーワンで、女性の社会進出ランキングもトップテンに入っていることに気が付きました。家庭と仕事の両立を実現しているのです。そういった社会を日本でも実現していきたいと考えるようになりました。また、これを切り口にイスラエルのことを伝えていけば、興味を持った人たちが集まり、ビジネスの接点もつかめるのではないかと考えました。これが、イスラエル女子部発足のきっかけとなりました。

――そんな背景があったのですね……。イスラエル女子部の本業への影響はどうだったのでしょうか?

 おかげさまでイスラエル女子部は多くの方に興味を持っていただき、イスラエルと女性×教育・起業をテーマに、多数の講演の機会をいただきました。そういった露出効果は本業ともシナジーを生み、とある月の担当製品の売り上げが過去最高値の12倍を更新したほどです。

講演の様子(写真:本人提供)
講演の様子(写真:本人提供)

 ローカライズ戦略における成果も残すことができましたし、次は日本のスタートアップのグローバル進出を実現したいと考えるようになりました。そこでご縁があったのがライフイズテックです。ライフイズテックは、「中高生一人ひとりの可能性を最大限伸ばす」ことをミッションに、IT・プログラミング教育を通じて子どもたちの創造力を最大化することに挑戦している教育企業。これまでに、のべ36,000人の中高生たちに、ITキャンプやスクールといったリアルサービスを通じてプログラミングを教えています。日本が元気になるためには、教育が大切です。子供たちという未来の塊を支えている会社のグローバル進出を成功させたら、教育・外資獲得と、二重に貢献できますよね。それができるのは、この会社以外ないと感じ、入社を決めました。

応援の声を原動力に

――現在は主にどういった業務を担当されていますか?

 メインは、ディズニーと共同開発したプログラミング教材「テクノロジア魔法学校」をグローバル展開することです。この教材は、魔法学校を舞台にしたオリジナルメインストーリーと、13のディズニー作品を使ったレッスンによって、ゲーム感覚で楽しみながらプログラミングを学ぶオンラインのサービスです。まずは、マーケティングエキスパートとして、CESやSXSWなどのイベント出展やプロモーション戦略を設計しています。アメリカ法人の立ち上げも準備中です。また、次世代のためのコミュニティをロサンゼルスに作りたいとも考えています。

――スピード感を持って活躍できる原動力とは?

 キャリアや関わる分野が毎年のように変わるため、「何をやりたいのか?」と聞かれることは少なくありません。しかし私の描くストーリーを伝えると、取り組みに関心を抱いていただき、応援もしてくださる方たちがいるんです。これが私の原動力にもなっています。みなさんにお願いしたいのは、社内外問わず未来を向いている人たちには、ぜひエールを送って欲しいということ。たとえ自分は行動に移せなくても、応援するだけで相手の力になります。

――職人がビジネス的にも活躍できる環境を作りたいという人生のテーマ実現に向けて、今後取り組みたいことはどういったことでしょうか?

 イスラエル女子部には今後も関わり、近く一般社団法人化を計画しています。世界中のファミリーファーストな家族観を伝えるファミリストという団体を各国に作ることも考えています。

 そして私個人は、アメリカだけでなくヨーロッパでの活動も見据えて、今の会社で成果を残したいです。そして、いずれは起業し、バイアウトまで経験したいと考えています。経営における成果とノウハウをつかんだ上で、初めて職人ビジネスを手がけたいと思っています。ロングスパンの計画ですし、どうなるかも、いつ達成できるのかもわかりません。日本の会社が保守的になりやすいのは、社会自体が元気ではないからでしょうか。次があることの期待感を持てないから、今あるものを手放せない。そのため、挑戦する機会も奪われやすい。すごくもったいないことですよね。だから、私は日本を元気にするための活動を続けていきたいと思っています。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/25 14:15 https://markezine.jp/article/detail/30141

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