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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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定期誌『MarkeZine』特集

次々と生まれるモバイルのアドフラウド 関係各社それぞれの一歩が大きな力に

 モバイル広告の不正防止ツールを提供する独・Adjust社によると、2018年1〜3月のモバイル広告の不正発生率は、残念なことに前年比でほぼ倍増しており、さらに2018年第1四半期に比べ、第3四半期では不正なインストール率が5%増えた。年々ネット広告費が伸長し、特にモバイルが主戦場になっている今、広告予算の増加とともに不正も増加しているのが実態だ。同社の日本カントリーマネージャーの佐々直紀氏は、「我々も日本で月間1億円以上の不正を防止しているが、それでも氷山の一角」と語る。佐々氏に、モバイル広告の不正の現状と対策を解説いただいた。

※本記事は、2019年2月25日刊行の定期誌『MarkeZine』38号に掲載したものです。

ありもしないクリックやCVをあったように見せる不正業者

 2017年の年頭に、米P&Gのマーケティング責任者がIAB(Interactive Advertising Bureau)による講演で、アドフラウドについて強く警鐘を鳴らしたのは皆さんもご存知の通りかと思います。モバイルでも、不正業者やその手法が広がってしまっているのは同様です。

 ドイツに本社を置く当社Adjustは2012年に創業し、モバイルアプリ計測プラットフォーム「Adjust」を提供しています。SDKを用いて、ユーザーがアプリをインストールする流入経路やアプリ内行動データを可視化するもので、効果検証と同時に不正防止機能を搭載して、アドフラウド防止に役立てていただいています。日本では2014年に、オフィスを立ち上げてから、年々問い合わせが増えている状況です。

 計測SDKを提供する事業者の立場から、モバイル業界でのアドフラウド防止に関する啓発活動や調査研究、またアドネットワーク事業者などとの協業なども進めてきました。直近では2017年9月、複数のパートナー企業とともにグローバルで「アドフラウド防止連合(Coalition Against AdFraud/CAAF)」を立ち上げ、関係者間で一丸となってこの問題に取り組んでいます。日本では、i-mobile、nend、Dynalyst、ZucksなどのアドネットワークがCAAFに参画しています(図表1)。

図表1 アドフラウド防止連合(CAAF)のメンバー
図表1 アドフラウド防止連合(CAAF)のメンバー

 本稿ではモバイル広告におけるアドフラウドの現状と課題について解説しますが、Web広告をターゲットにしたアドフラウドに関しても、同様の傾向が見られます。我々はアプリのインストールに寄与したモバイルWeb広告や、モバイルWebキャンペーンの広告効果なども計測していますが、不正に関してはWebもアプリも大きな違いはありません。「ありもしないインストールやクリックやコンバージョンを、あたかもあったように見せかけて不正メディアやアドネットワークに帰結させて広告費を奪う」という不正業者の発想は、Web広告でもアプリ内広告でも同じです。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/02/25 13:30 https://markezine.jp/article/detail/30381

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