SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

定期誌『MarkeZine』特集

「モンスト」に学ぶ、アプリのブランディングを成功させる秘訣

 群雄割拠と言われるスマートフォンゲームアプリ業界で、アプリを長く運営するのは容易なことではない。そんな中で、ローンチから5年を経過した今もユーザーから絶大な人気を集めるのがミクシィ社XFLAGの「モンスターストライク」だ。世界累計利用者数は4,900万人(2018年12月30日時点)を突破し、近年ではオリジナルアニメ・映画、グッズの制作、常設店舗のオープン、他作品とのタイアップなど、IP活用を進めている。本稿では、どのようにして同タイトルがここまでの成長を遂げたのか、同社のマーケティング本部長 根本悠子氏に話を伺った。

※本記事は、2019年2月25日刊行の定期誌『MarkeZine』38号に掲載したものです。

バイラルする要素をサービスの中に

株式会社ミクシィ 執行役員 マーケティング本部長 根本悠子(ねもと・ゆうこ)氏
広告制作会社、NHNJapan(現・LINE)などを経て、2007年5月ミクシィに入社。FindJob!でコンテンツ企画・プロモーションに従事。2008年8月SNSmixiのプロモーショングループに異動。以降SNSmixiのユーザーコミュニケーションを中心にプロモーションに携わる。その後、リテンションに関わるユニットのプロダクトオーナーを経て、2014年4月育休より復職しモンスターストライクのマーケティングを担当。2017年5月モンスト事業本部マーケティング部部長就任。モンスターストライクに関わるマーケティング全般を統括。2018年4月、当社執行役員マーケティング領域担当、マーケティング本部長。

――「モンスターストライク(以下、モンスト)」は今や日本有数のゲームアプリとなっています。アプリマーケティングの視点で、これまでどのようなことを意識していましたか。

 モンストは2018年10月でローンチから5周年を迎えました。おかげさまで常に売上ランキングの上位と高いMAU(月間アクティブユーザー)を保持できていますが、実はローンチ初期から多額の予算をかけたプロモーションは行っていませんでした。

 モンストで提供したい本質的な価値は「みんなで集まって楽しむ」という、当時のスマホアプリゲームにはなかった価値です。そのため、先行しているゲームとはまったく違うグロースのさせ方が必要で、ゲーム業界では一般的なブースト広告(リワード広告などを使いアプリストアのランキングを急上昇させること)などは徹底して行いませんでした(Web出稿除く)。

 ローンチから半年くらいの間は、友人同士など身近な人たちで行われるマルチプレイや友人招待機能の利用数を追っていて、モンストの話題が広がっていくことを注視していました。ダウンロード数がある程度伸びてきた段階で、大衆化に向けた広告展開を行いました。

――そうだったんですね。御社はテレビCMも積極的に出稿しているイメージなのですが、最初に出稿したのはいつですか。

 2014年3月が最初です。アーリーアダプターとなる方がモンストの本質的価値をわかった段階で、マス広告で多くの人にリーチすることで、広告に接触した人とアーリーアダプターがコミュニケーションをする機会の創出を狙っていました。「モンストって知ってる?」など数珠つなぎにバイラルしていくような設計をしていたのが初期段階の広告ですね。その当時、マーケティングの責任者だった田村(現ライブエクスペリエンス領域執行役員)の狙いはチャレンジングだったと思います。

 またテレビCMのクリエイティブで常に意識していたのは、ゲームを遊んだ先の価値を伝えることです。

 その当時出稿されていた競合のテレビCMは、ゲーム性や世界観、キャラクターの美しさなどを訴求するものがほとんどでした。私たちはそうした既定路線とは違い、みんなで遊ぶことによる楽しさを訴求することに特化しました。「みんなでモンスト」のメッセージが強く頭に残ることだけを考えました。

 そこには、ミクシィがゲーム会社ではなくコミュニケーション創出企業であり、コミュニケーションの場を生み出すための出口がゲームであったという背景もあります。

――ゲームによって生まれるコミュニケーションのすばらしさを伝えようとしていたのですね。

 親子、友人同士、恋人同士でもいいのですが、身近な人との関係がモンストというゲームによって親密になったり、楽しくなったりすればいいなと思うんです。その価値を感じてもらえる人が増えてこそユーザー増加と言えると思うので、ダウンロード数などの数値の積み上げだけにとらわれないようにしています。

この記事はプレミアム記事(有料)です。ご利用にはMarkeZineプレミアムのご契約が必要です。

有料記事が読み放題!初月1円キャンペーン中!

プレミアムサービス詳細はこちら

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラスをご契約の方は
・こちらから電子版(誌面)を閲覧できます。
・チームメンバーをユーザーとして登録することができます。
 ユーザー登録は管理者アカウントで手続きしてください。
 手続き方法の詳細はこちら

次のページ
リアルなつながりが乗り換えリスクを減らす

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
定期誌『MarkeZine』特集連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2019/02/25 13:45 https://markezine.jp/article/detail/30382

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング