※本記事は、2019年2月25日刊行の定期誌『MarkeZine』38号に掲載したものです。
情報システム部からデジタルマーケターに
キリン株式会社 デジタルマーケティング部 デジタルマーケティング担当 加藤 美侑(Miyuki Kato)氏
大学卒業後、2006年に食品メーカーに入社。情報システム部でのシステム開発を経て、全ブランドを対象とするデジタルプロモーションの担当者に。2015年キリンへ入社。氷結®やクラフトビールブランドのデジタルマーケティングに従事する。1年間の産休・育休後、2018年の5月に復職。デジタルに閉じないコミュニケーションプランニングができる人を目指している。
――これまでのキャリアを教えてください。
学生時代、就職活動をスタートした時は、まだ明確にやりたいことがなかったため、様々な企業を受けました。一貫していたのは、自分の生活に身近で“好き”なものを扱っているというところです。冷蔵庫を開けて、よく使ったり、好きな食品を扱っているメーカーを受けてみたり、アルバイト先のチラシを制作している広告会社や、よく聞いていたラジオ局を受けたりしていたんです。そのうちに、製造から販売まで責任を持てる企業で働きたい! 自分の好きな商品をたくさんの人に広めたい! とメーカーに絞り、最初に内定をいただいた調味料を中心とした食品メーカーに入社しました。
しかし最初の配属先は情報システム部。私は文学部出身で、当時はExcelもまともに使えない、関数って何? というレベルでした。ゼロから学び、最終的には自力で簡単なプログラミングができるまでにはなりましたが、苦労も多かったです。情報システム部には約4年在籍し、営業向けの社内業績管理ツールの開発などを担当しました。そして2010年のはじめに、ジョブローテーションで異動した先の業務が社内初のデジタルプロモーション専属担当だったのです。前任者もいない中、すべてのブランドごとに戦略を立てて、Webサイトを運営することからスタートしました。
――ゼロから1を作る仕事は大変ですよね。
夢中でやりました。相談できる相手も社内には少なく、他の会社の方に助けていただくことが多かったです。同じ食品メーカーの方に相談したり、先進的な取り組みをされている企業を訪ねて教わったり、勉強会に参加させてもらったり……地道に学びました。展示会へ出かけて、制作会社やパートナーを探すこともありましたし、とにかく行動していきました。周りの皆さんに育てていただいたと思います。この時のつながりは、今の仕事にも活かされています。