プロトタイピングで得た知見で新たな挑戦を
――デジタル上でコミュニケーションを取っていく上で、重要なポイントはなんだと思いますか。
馬場:必ず仮説を持って取り組むことが年々大事になっていると感じています。基本的にまだ世にないものを求められることが多いので、そのときにこういう状態をめざそう、こういう現象を起こそう、そのためにインタラクティブクリエイティブにおいて、こういった体験が有効だろう、という仮説を立て、できるだけ早く体験の根本となるプロトタイプを作って検証していくことが重要です。それがない中で、技術のディテールに先にこだわってしまうと、目的が置いてけぼりになり、作っている意味がなくなっていきます。
また、長期的に取り組むケースが増えてきているからこそ、できるだけ仮説を評価するためのデータを集めながら、次の開発に活かせたらいいなと思っています。
原:一方で正解がわからない中でやっているので、これを試してみようと思い切って判断することもクライアントにとっては重要です。ある目標を達成するために試すという確固たる意志を持って、そこに向かう経路が正しいかどうかを見極めて欲しいと思います。
馬場:仮説を立ててプロトタイピングして、仮にそれが思うような結果でなかったとしても、それは失敗ではなく、一つ知見を得たんだと捉えてもらえる関係性だと、勇気をもってチャレンジできるし、次の手を打っていける。本当に正解がわからない時代に突入しているので、そういう関係性が築けないと冒険ができなくなってしまいますよね。
――最後に、今後の展望を教えてください。
馬場:真面目なことを言ってしまいましたが、やっぱり打ち上げ花火的な派手なものも、それはそれで役割があると思うのでやっていきたい。そういう余裕のある世界ってステキだと思うので。宇宙規模ぐらいの花火を上げたいです。
原:ARやVRも登場し、あらゆる場所で様々なインタラクティブクリエイティブが作れるようになっています。その中で、多様なコンテンツを作れるプレーヤーでありたいですね。また、新たな技術が登場したときに何を作ったら良いかわからない状態に陥らないよう、実験をし、知見を貯めていきます。
