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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

変わりゆくCMOのミッション

「社会を動かすCMO」の役割と心構え コンカー柿野氏が語る経営・顧客・社会の3つの視点


自分なりの市場観を創るために、お客様・会社から少し離れよう

――マーケティング責任者として、CXにどのような関わり方をしているでしょうか。

柿野:経費精算クラウドを提供しているコンカーですが、「経費精算をなくすこと」が、私たちが目指す究極のCXです。それは高速道路のETCのように「体験することすらできない」ものです。

 先ほども紹介した、駅の改札にSuicaをタッチするだけで、利用料金の入力がConcur Expenseで完了するJR東日本との実証実験や、JapanTaxiやUberとのパートナーシップはそのための取り組みの一例になります。移動シーンの中で、経費精算が自動で完了する、そんな世界がもう実現されつつあります。コンカーとそのエコシステム全体で「経費精算がない世界」を実現していきたいと思います。

社員が集まるスペースにはグラフィックレコーディング風のカスタマーサクセスすごろくを掲示。これも企業全体を市場の視点で捉えて全体最適をプロデュースするマーケティング的な試みと言えそうだ
社員が集まるスペースにはグラフィックレコーディング風のカスタマーサクセスすごろくを掲示。これも企業全体を市場の視点で捉えて全体最適をプロデュースするマーケティング的な試みと言えそうだ

――マーケティング責任者として難しさを感じていることがあるとすれば、どういったことでしょうか。

柿野:マーケティング人材の採用・育成・定着化が大きなテーマです。マーケティングも「デジタル」「コンテンツ」「パブリック・リレーションズ(PR)」「セミナー&イベント」「製品」「パートナー」「インサイドセールス」といったように業務を分解するとわかりやすく、人材も採用しやすくなりますが、これらを市場視点で組み合わせて、マーケティングプログラムとして企画・実践ができる人材となると難易度が格段に上がります。

 市場目線でコンカーを位置付け、お客様や社内の各部門における「目線の角度」を上げられるマーケティング人材は不可欠です。調査結果、データ、海外動向、競合他社、ビジネス団体、ガバメントなど、直接相対するお客様やパートナー様から逆に少し距離を置いて、冷静に中長期に時間軸をとって、自分なりの市場観を導き出す思考が大事だと思います。

市場の成熟度に合わせて組織体制をアレンジする

――組織が拡大する中、今後社内でどのような役割を担っていきたいとお考えでしょうか。

柿野:コンカーが常にリーダーとして市場で存在し続けるために、主導的な役割を担いたいです。既に日本の時価総額トップ100の半数近くのお客様にコンカーをご利用いただいていますが、中堅・中小企業へと利用の裾野を広げることが、マーケティングに課せられた大きなテーマです。既に、SAP Concur Expense Standardという成長企業向けのサービスをリリースし、人員増強も進行中で、体制は整いつつあります。

 また、この領域はデジタルマーケティング基盤で勝負が決まると言っても過言ではありません。見える化や自動化はもちろんのこと、AIプロジェクトも現在進行中で、とても良い手応えを感じています。今まで培った大企業向けビジネスのノウハウをベースに全社一丸となって、中堅・中小企業市場でもコンカーをお使いいただけるように日々、努力していきたいと思います。

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタントとして活動中。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

江川 守彦(編集部)(エガワ モリヒコ)

東京大学文学部を卒業後、総合広告代理店でマスメディアの媒体営業業務を経験し、出版社に転じて人文系の書籍編集に従事したのち、MarkeZine編集部に参画。2018年よりオーガナイザーとしてMarkeZine Dayの企画にも携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/06/19 15:20 https://markezine.jp/article/detail/31148

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