Twitter施策を成功に導く3つのポイント
次に、小島氏はTwitter施策を行う際に大切にしている3つのポイントについて紹介した。
1.キャラ、シズル>話題
Twitterをはじめとしたデジタル施策を行うとなると、話題化やエンゲージメントを重視しがちだが、とにかくバズれば良いというわけではない。デジタル施策を考える上でも、企業や商品のキャラクターや商品と結びついている気分、シズル感が大事だという。
「たとえば『どん兵衛』は、名前に入っている“どん”のイメージやパッケージ、味から、どこかホッコリとして、とぼけたお笑いが似合うキャラクターで、感動させるよりも笑わせるほうがあっている。一方で『クーリッシュ』は、アイスの冷たさやパッケージの青色から、爽やかで恋や青春が似合うキャラクター。笑いに振りすぎると似合わない感覚があるように、ブランドの持つシズル感に合わせて考えています」(小島氏)
2.自分>マス
Twitterは、個人から発信される情報が支持されて拡散しやすい場所なため、個人の趣向が強く反映されている熱量の高いツイートが人気を得やすい。そのため、大衆の好みを考えすぎるより、自分がとにかくおもしろいと信じられるものを追いかけるほうが成功する可能性が高いという。
「ただし、自分がおもしろいと思う感覚が、Twitterとずれ過ぎていても引っかからないので、普段からツイートを見て流行をチェックして、自分の感覚をTwitterと近い状態にしておくことは必要です」(小島氏)
3.企業、広告であることを忘れない
企業アカウントである、広告であるという自覚、冷静さを持っておく。はしゃぎすぎないことも大事だ。
「Twitterには独特の様式があるので、つい企業の施策でもTwitterならではの言葉やノリを使ってしまいたくなりますが、Twitterの文化に迎合しすぎるのは良くないと考えています。たとえば、学校で先生が本気で生徒とまったく同じノリで生徒に接したら引かれてしまいます。でも、生徒の気持ちがわかるおもしろい先生は一目置かれるし、好かれる。そんな立ち位置がちょうど良いのではと思っています」(小島氏)
確かに、シャープやキングジムなどTwitterの文化にうまく乗っかった企業アカウントもいくつかある。しかし、小島氏は「そこには相当な経験値と、一人の人がとんでもない権限とスピード感とセンスを持って運用しているわけで、やり方を真似るのはかなり困難」だとした。
小島氏に対してそうした要望があった際には、おもしろい施策をアカウントが提供して話題を届けるような使い方を提案するという。