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MarkeZine Day 2025 Retail

「リアル店舗×デジタルマーケティング」の最前線

ビームスが描く理想の購買体験とは?オムニチャネル実現のために始めたスタッフの“メディア化”とその成果

オムニチャネル実現のため、スタッフを“メディア化”

原嶋:ビームスさんはショップスタッフの“メディア化”にも取り組まれていますよね。コーポレートサイトとECサイトが統合された「BEAMS(ビームス)公式サイト」では、日々店舗スタッフの方々が実名でコーディネート写真やブログを投稿されています。このスタッフの“メディア化”はどういった目的で行われているものなのでしょうか?

株式会社Pathee ソリューション事業部 原嶋宏明氏
株式会社Pathee ソリューション事業部 原嶋宏明氏

矢嶋:元々、オムニチャネルを実現するためには、店舗のデジタルトランスフォーメーションを進めていく必要があると感じていました。特に、店舗を構成する販売スタッフのデジタル化です。既にショップブログはあったものの、一部の担当者だけが行うもので、多くのスタッフが情報を発信するという仕組みはありませんでした。

 そこで、プライベートでは既に浸透していたSNSの活用を会社のコンテンツとして仕組み化することで、スタッフたちに楽しみながらデジタルに慣れてもらおうと考えたのです

スタッフの投稿が売上にも貢献

原嶋:初めからオムニチャネルという専門的な用語を使うのではなく、スタッフが慣れ親しんでいるところから、少しずつデジタルを取り入れていったのですね。元々はデジタルに慣れさせるために始めたということですが、スタッフのコンテンツが売上にもつながっているそうですね。

矢嶋:はい。商品を紹介する際には商品リンクをつけてもらっているので、そこからどれだけ購入につながったのかを可視化することができます。現在、自社ECサイトの売上のうち約6割が、スタッフのなんらかの投稿を経由していますね

原嶋:6割! それはすごい数字ですね。そういったデータはスタッフにも共有しているのですか?

矢嶋:管理画面にデータ分析機能があり、購買までにどのコンテンツを見てきたかが可視化できるようになっています。スタッフには、購買に至ったお客様がブログを見ていたのか、それともスタイリングを見ていたのかという情報や、彼らのコンテンツが直接購買に貢献したのか、それとも間接的に貢献したのかといったことを伝えるようにしています。

原嶋:自分が行っていることが売上につながっているとわかれば、モチベーションも上がりますよね。コーディネートやフォトログ、最近では動画コンテンツなども掲載されていますが、どのコンテンツが一番見られているんですか?

矢嶋:PVでいうと、スタイリングのコンテンツが一番見られていますね。

原嶋:確かにコーディネートはタレントが着ているより、スタッフが着ているのを見るほうがわかりやすいですよね。定量的な成果も出ているようですが、店舗側で定性的な反響などもありますか?

渡部:かなり増えていますね。ブログを見て、そのスタッフ目当てで来店されるお客様も多いです。また先ほどもお伝えしたとおり、きちんと数字として成果をスタッフに戻す仕組みが作れているので、彼らの意識も徐々に変わってきているのを感じています。

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蓄積したデータの使い方は?

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この記事の著者

原嶋 宏明(ハラシマ ヒロアキ)

Patheeマーケティングマネージャー。大学卒業後Webディレクション、プロダクトマネージャーを経験。前職で動画制作プラットフォームCrevoの立ち上げを経験。現職ではマーケティングから組織構築、広報まで幅広い領域を担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/07/04 08:00 https://markezine.jp/article/detail/31259

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