Twitter利用者ならではのマインドセットとは
3つ目の特徴であるオーディエンスについて竹下氏は「Twitter利用者は様々なことを投稿している。そして、情報を常に求めている」とした。マクロミルとの調査では「自分の趣味や嗜好に合った情報が得られる」に39%、「検索エンジンでもヒットしない情報が探せる」に22%、「雑学やトリビアなどの話のネタが豊富」に19%と、他のサービスよりも高い数値となっている。
竹下氏によれば、この数値の差はTwitterならではのマインドセットから生まれているという。
「Twitter以外のプラットフォームの多くは『Look at me(私を見て)』の投稿、自分は何をしている、誰とどこにいるなど自分を中心としたものが多い。対して、Twitter利用者は『Look at this(これを見て)』と今発見したこと、ある事柄に対する意見など、自分中心ではない事柄に対して投稿する。このようなマインドセットがTwitter利用者には備わっているため、非常に様々な話題があふれています」(竹下氏)
このLook at thisという特性があるからこそ、ニュースに関する情報が広く伝播しやすく、その上様々な意見を見ることができる。セミナーの中でも様々なニュースを例に、報道前から報道後までに関連したツイートの内容が変化している結果を示し、様々な意見が集まることを明らかにした。
そして竹下氏は、Twitter上のオーディエンスについて「ニュースへのリアルな反応はTwitterで起きる。リアルな会話はニュースへの関心をさらに高める」とまとめた。
メディアが今すぐできる2つのこと
では、メディアやSNSの担当者はこの特性をどのように活かせばいいのだろうか。竹下氏は海外メディアの事例を2つ紹介した。
1つは、担当記者が記事のツイートを個人アカウントで引用して、補足するという手法だ。記事には含められなかった裏話や写真を引用ツイートに続ける形で投稿することで、記者を入り口に媒体のファンを増やしていくという。また、この手法を取ることで直接記者に対するフィードバックも得られるメリットもある。
そして、もう1つの手法は、センシティブな内容の社会問題に対して意見をDMで求めるというものだ。センシティブな内容に対する意見をリプライで書くのは気が引けるという人も少なからずいる。そういった人向けにDMをオープンにすることで、Twitterのオーディエンスから多面的な情報を収集しやすくなるという。
Twitterはこれまでの内容からわかるように、1つのニュースに対して様々な意見が集まる。これらの手法はもちろん、意見が発生するメカニズムを把握し、これから作るコンテンツのヒントにすることが、SNS上にニュースを発信していく上で必要になるのではないだろうか。
