5ブランドをひとつのECに統合
MarkeZine編集部(以下、MZ):今回は、サンエー・ビーディー直営の公式ファッション通販サイト「SANEI bd ONLINE」のレビュー機能活用についてお話をうかがいます。まず、同サイトの特徴をうかがえますか?
近藤:当社は「NATURAL BEAUTY BASIC」や「JILL by JILLSTUART」など、10~30代女性に長らく支持いただいている5ブランドを扱うアパレル企業です。全国に路面店やショッピングモール内店舗を展開するほか、ECにも力を入れていましたが、以前は5ブランドそれぞれで直営サイトを運営していました。「SANEI bd ONLINE」は、それらを統合する形で、2018年2月に立ち上げたサイトです。
MZ:以前は独立して運営していた5ブランドを、なぜ統合されたのですか?
大橋:主にはCRMの観点からですね。顧客の視点からすると、各ブランドを横断して商品を検索できなかったり、会員カードやポイントが分断されていたりするのは利便性に欠けていました。各ブランドの戦略が独立していて、それぞれでファンを捉えていることはメリットもありますが、その反面でブランド間のシナジーを生みにくく、別のブランドの魅力や新たな商品を知っていただく機会も持ちにくい部分があります。それらを解消したいと考え、社名を冠した大きな傘の下にまとめました。
MZ:まとめた結果、期待する効果は上がっていますか?
大橋:そうですね、売上は昨対比200%と好調です。訪問者数も伸びており、50%ほど上昇しています。
ユーザーレビューは“諸刃の剣”か?
MZ:今年6月には、ZETAのレビューエンジン「ZETA VOICE」を実装し、新たにカスタマーレビュー機能を追加したそうですね。具体的に何が可能になったのかをうかがえますか?
近藤:購入した顧客が書き込むユーザーレビューは、他のアパレル企業や別の業種の企業で採用している形式と同様だと思います。ニックネーム、自分の身長、購入したサイズや色を入力し、感想を書き込めるという形式ですね。
ひとつ我々としてこだわったのは、ZETAさんに依頼して、ショップ店員や本社スタッフによる試着レビューを写真付きで投稿できるようにしてもらった点です。一般の方の率直な感想はユーザーレビューで、着方の提案や素材についてなど、プロとしての意見はスタッフレビューで読んでいただき、写真もスタイリングの参考になればと考えて加えています。
近藤:また、ユーザーの書き込みに対し、なんらかの当社としてアドバイスやご返信が必要であれば、そのユーザーのマイページへ個別にご連絡したりもしています。メールだと見ていない人も多いので、マイページでのコミュニケーションは有効ですね。
MZ:レビューエンジンの導入は、いつごろから構想されていたんですか?
大橋:実は、そもそも立ち上げ時に入れたいと思っていたんです。ただ、社内には「ユーザーレビューは諸刃の剣では」という見方もあり、その調整に少し時間を要したという感じです。