Q2.「マーケターならこれを読むべし!」という書籍とその理由は?
マーケターにお勧めする書籍は、特にない。そのときそのとき、自分の直感で読みたいものを読めばいいと思っている。直感に従っていれば、自ずと必要な本がわかると思うし、自分の前にその本が現れてくると感じている。ただ、「ひとつ挙げよ」ということであれば、ワード・ハンソン 著『インターネット・マーケティングの原理と戦略』だ。2000年頃に最初は英語版で読んだ。著者はスタンフォード大学などで1990年代後半からインターネット・マーケティングの講義を行っていた。

ワード・ハンソン 著/上原征彦監 訳/長谷川真実 訳 日本経済新聞社 2,800円+税
技術は進んだが、インターネット・マーケティングの基本は、当時から変わっていない。今読んでも学ぶことが多いだろう。
私は2004年に、テレビCMに検索キーワードを挿入するマス連動施策を考案したが、そのときのアイデアは、この本を読んでインスピレーションを得た。また、2014年に「Dual AISAS Model」を提唱し、その後、それを使ってテレビ朝日の番組「#モデる」の番組企画を支援した。そのときの「テレビ番組-テレビCM-SNS-ウェブサイト-EC/店舗」を連携したコミュニケーション設計も、この本を参考にしながら作った。
ただ、この本が今のあなたに良いとは限らない。自分の直感を信じて、今のあなたが読みたい本を手にしてほしい。