※本記事は、2019年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』46号に掲載したものです。
株式会社電通デジタル 客員エグゼクティブコンサルタント アタラ合同会社 フェローzonari 合同会社 代表執行役社長 有園雄一氏
早稲田大学政治経済学部卒。1995年、「貨幣の複数性」(卒業論文)が『現代思想』(青土社1995年9月貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。オーバーチュア(現ヤフー)、グーグル(SalesStrategy and Planning/戦略企画担当)などを経て現職。2004年、検索キーワード入りテレビCMを考案、日本で最初にトヨタ自動車「イスト」CMが採用。2014年、Dual AISAS Modelを提唱。2018年度電通 電通総研カウンセル兼フェロー。
Q1.最近、いちばん感銘を受けた書籍とその理由は?
宇宙エネルギーが人生に多大な影響を与える。心次第で宇宙エネルギーを活用できる。稲盛和夫 著『心。』は、「人生の目的は、心、あるいは、魂を磨くこと」だと説く。
ジェームズ・アレン 著『「原因」と「結果」の法則』や、ロンダ・バーン 著『ザ・シークレット』、ナポレオン・ヒル 著『思考は現実化する』、中村天風 著『運命を拓く』も、基本は同じだ。ソクラテスは「人生の目的は魂の世話をすること」と述べ、世界一の投資家、ウォーレン・バフェットも、著書『Getting There』の中で、「take care of your mind and body」と「emotional stability」が最重要としている。そして、ドーソン・チャーチ 著『思考が物質に変わる時』や、ブルース・H・リプトン共著『思考のパワー』、ジム・アル=カリーリ 著『量子力学で生命の謎を解く』などでは、量子論や脳科学的に思考や心の在り方の解明を試みている。
Googleの検索エンジンは「真・善・美」を判断せず、レレバンシーだけで掲載順位を決定している。今のAIは「真・善・美」の判断ができないのだ。故に、フェイクニュースを排除できない。量子論の岸根卓郎(京都大学名誉教授)は、人間の心は宇宙の心と一体であるとし、「真・善・美」を判断するために、AIに宇宙の心を教え込む必要があると主張する。「真・善・美」が判断でき宇宙の心を実現するAI、それが稲盛和夫の『心。』だと思う。