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MarkeZine Day 2019 Autumn

パナソニックに学ぶ、デジタルマーケティングの組織改革 強い組織の築き方とは

 組織の改革は、企業規模が大きければ大きいほど難易度も増す。その上、歴史の長い老舗企業ともなると、培われてきた根強いカルチャーが変革の足枷にもなり得る。そんな中、今年創業101年目を迎え、グローバルで20万人以上の従業員を抱えるパナソニックがユニークなプロジェクトに取り組んでいる。新たに設けられた「社内複業制度」のもと、同社の全社横断のデジタルマーケティング組織「D-Locators HUB」で運営に関わる大畑雅哉氏が、組織結成までの過程と取り組みの内容を明かした。

売り上げの多くは家電以外のカテゴリが占めるように

 登壇した大畑氏は自動車メーカーやスポーツメーカーといった事業者側で国内外向けのデジタルマーケティングに従事したのち、2017年4月にパナソニックへ入社した。一般消費者向け電池の海外ECマーケティングが現在のメインミッションだが、複業として全社のデジタルマーケティング推進も担っている。

 パナソニックといえば家電のイメージが強いが、2018年度の売り上げ8兆円のうち家電カテゴリの占める割合は27%に過ぎないという。売り上げの多くはBtoB向け製品やソリューション、住宅・電気設備など家電以外のカテゴリからもたらされている。

「タテパナからヨコパナへ」をテーマに掲げた組織変革

 多岐にわたる事業を会社全体でどのようにマネジメントしているのか。パナソニックでは製品やサービスに紐付く事業部がそれぞれの損益に責任をもって活動する事業部制を採用している。事業部の上にカンパニーというレイヤーが存在し、たとえば家電のカンパニーの下にはテレビやエアコン、冷蔵庫といった製品を担う各事業部が属している。ネガティブに捉えると縦割り型組織ともいえるこの体制について、大畑氏はこう述べた。

 「まさに今、『タテパナからヨコパナへ』の掛け声のもとで全社組織変革を進行中です。これまではタテのパナソニック=タテパナをベースにした、それぞれの製品、顧客接点、体験が重視されていましたが、これからは横のつながりを重要視したヨコのパナソニック=ヨコパナによる、クロスファンクショナルな製品やサービスの創出を目指そうとしています

 デジタルマーケティングもタテパナ体制のもと、それぞれのカンパニーや事業部で個別に推進されていた。「製品ごとにビジネスモデルや規模、マーケットが大きく異なるため、そうならざるを得なかった」と大畑氏は語る。互いに反目し合うことはなかったが、カンパニーを超えた交流は、ほとんど存在しなかったという。

 縦割り型組織に横串を通す役割を持つ組織として、2017年4月にデジタルマーケティング推進室が誕生した。カンパニーを超えたデジタルマーケティングの連携や、社外の知見を積極的に活用、獲得し、共通機能をなるべく横展開することをミッションに掲げている。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/15 09:00 https://markezine.jp/article/detail/32246

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