企業変革を支援するGOとテレビCMで事業を約20倍にしたラクスル
MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに、両社の展開しているビジネスとご自身の役割について紹介いただけますか。
鶴見:我々GOは、クリエイティブを軸に企業の変革をサポートしています。メンバーには大手広告代理店出身でクリエイティブやPR領域に強い人たちが集まっているので、それを活かし企業が持つ課題を打ち破る方法を提供しています。
私はその中でクリエイティブディレクター兼コピーライターとして、戦略立案からコミュニケーションデザインまで担当しています。
田部:ラクスルは元々ネット印刷のスタートアップで、私自身は入社以降一貫してマーケティングを統括しています。2014年から2019年までの5年で50億を超えるマーケティング投資を行い、売り上げを約20倍に成長させてきました。
2018年には、特に注力してきたテレビCMを主としたマーケティング戦略をノウハウ化し、企業のテレビCMの制作・放映サービスを立ち上げ、現在はその責任者も兼任しています。
両社の強みが最大限活かされる提携に
MZ:今回両社は提携して、テレビCMの制作から出稿を支援する「はじめてのTVCMプラン」とマーケティング戦略全体をプロデュースする「CMO代行プラン」の提供を開始されましたね。なぜ両社が提携に至ったのか教えてください。
田部:テレビCMの制作・放映サービスにおける私たちの強みは、テレビCMの効果を可視化し改善するというPDCAサイクルを回すことで自らの事業を成長させてきた実績と、その中で培われたノウハウにあります。これまでも、テレビCMをネット広告と同じ感覚で運用できるよう、ロジカルに数字を見ながら効果を出してきました。
その一方で、課題としていたのがクリエイティブの企画・制作でした。そこで、今回の提携でクリエイティブに強いGOと提携することで、より効果の高いテレビCMの制作・出稿が可能になると考えました。
鶴見:代表の三浦はGOの仕事の心得として、「おもしろくなければ仕事ではない」とよく言っているのですが、それはおもしろい仕事しかやらないというワガママな話ではなくて、アウトプットがおもしろくなければ結局、企業の求める成果につながらないということを指しています。クリエイティブに話題性やエンタメ性を持たせるのもそのためです。
そして今回、クリエイティブに強みを持つ我々とテレビCMのPDCAサイクルを回せるラクスルが提携することで、テレビCMを通じて、よりビジネス成果を出すことにフォーカスできるのではないかと考え、提携に至りました。
また、GOでは必ずクリエイターが決裁者と直接対話をして経営課題を発見し、事業の価値や戦略をクリエイターが責任を持ってアウトプットに落とし込むスタイルを取っています。今回の提携でもそのスタイルで対応できるので、両社の強みを活かしたサービス展開ができると考えたのも理由の1つです。
MZ:今回の両サービスはどのような企業向けのサービスになっているのでしょうか。
田部:基本的にはスタートアップ企業に向けたサービス内容となっています。スタートアップの場合、カテゴリーすら存在しないところから事業を立ち上げているケースも多く、世の人がその価値に気づいていないことも少なくありません。また、企業もどのような価値を打ち出していけば良いのかわからないということもあります。
そのような状況であっても、GOとラクスルが手を組みその価値を見出すところから支援することで、ハードルが高いと感じてしまうテレビCMにも積極的にチャレンジできる環境を実現したいと考えています。