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マーケティングツールのカオスマップから何が読み解ける?アンダーワークスの田島学さんに訊く

ツール選びのポイントは?

 次に、どんな企業も悩みがちなツール選びのポイントについてうかがった。しかし、田島さんはどのツールを選ぶかよりも導入後にどう活用するかが重要だと話す。カスタマーサクセスが注目を集めていることからもわかるように、多くがSaaSで提供しているベンダー側としても、ユーザーにうまく使ってもらって成功体験を得てもらうことを重視している。

 クライアントからツール選定の際に機能比較を要望されることも多いが、機能を軸にツールを選んでも、結果として実際の活用に繋がっていないということも多くあるそうだ。

 では、何を基準にツール選択について考えればいいのか。まずは小さなリフト(成功)を作ることだ。ツールを導入していきなりコンバージョンを何倍もアップさせるのは難しい。だからこそ、3%、5%といった小さなリフトをどうやって作るかという視点でツールを選べれば、大きな失敗もしづらい。

 また、最初にうまくいかないとツールのせいにしてしまうということもある。あるツールがダメだったので別のツールにしたところ、それでも結果が出なかったのでまた別のツールに、となると、これはツールではなく使う側に問題があると考えられる。SaaSだとこうした乗り換えも簡単にできてしまうので、ある程度はツールに使い慣れることも大切である。

自社に共感してくれるベンダーで選ぶ

 一方で、テクノロジーの発展に合わせてツールの見直しをする必要もある。2、3年でツールを乗り換える企業もあるそうだが、むしろそのツールで使われているテクノロジー領域がどれくらいイノベーティブなのかを考慮することが欠かせない。発展が早いなら、乗り換えも早くする必要がある。BtoBではMAが登場したが、ここ最近でABMやCDPが台頭し、もうMAはいらないのではないかと言われることもあると田島さんは明かす。

 そうしたテクノロジーの動向を掴むには、やはり情報媒体を追わなければならない。ベンダーのプレスリリースは重要な情報源だ。また、ツール選びに際し、日本では他社の導入事例が重視されるが、自社で何をやりたいかという視点を大切にしたい。田島さんは「他社が導入しているから自社でも」という選び方では失敗することが多いのではと指摘する。なぜなら、マーケティングの観点で考えれば、他社とは違うことをすることに価値があるからだ。

 自分たちのどんなところに独自性があり、それを最大限に活かせるツールはどれなのか。自社の理念や価値観に共感してくれるベンダーはどこか。こうした視点でツールを選び、見直していくことが失敗しにくい最善手だ。それでも、まずはどんなツールがあるのかを知るところから始めるのは有益だ。ぜひカオスマップを参照し、目星をつけてもらいたい。

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この記事の著者

渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)

翔泳社所属。翔泳社から刊行した本の紹介記事などを執筆しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/15 07:00 https://markezine.jp/article/detail/32271

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