統計分析システムの企画・開発・提供を行うサイカは、「Cookie等を用いたユーザー行動分析の利用実態調査 2019年版」を実施し、結果を発表した。同レポートは、昨年11月に実施した同調査2018年版と比較し、直近1年間で企業に起きた変化についてまとめている。
7割以上がCookie等を用いた広告効果の測定を実施 昨年と変わらず
広告の効果測定手法としてCookie等を用いたユーザー行動分析がどの程度利用されているのかを調査した結果、昨年からの変動はすべての選択肢で2%以内に収まり、大きな変動は見られなかった。依然としてポピュラーな効果測定手法としてマーケティング現場で利用されている状況がうかがえた。
昨年に続き、約7割が測定に不満 強く不足を感じている人は増加
同手法に対する広告宣伝担当者の満足度を調査したところ、「十分に測定できている(31.2%)」と回答した人を除く、何らかの不足を感じている人の割合は約7割に。昨年の調査から大きな変動はなかった。しかし、不足を感じている人の内訳として「あまり測定できているとはいえない」と回答した人の割合が8.0%から17.2%に増加。昨年より強く不足を感じるようになっている状況がうかがえた。
不満の理由は1位は「限定された測定範囲」 規制によるデータ確保の難化も懸念
広告宣伝担当者が同手法に不足を感じている理由を調査したところ、昨年は3位だった「効果を測定できる範囲が限定的なため、一部効果を測定できない施策がある」が今回首位となった。個人情報保護に関する規制強化の動きを受け、今回の調査から選択肢として追加した「規制強化への対応により、十分なユーザーデータの確保が難しい(23.4%)」は同率3位という結果だった。
【調査概要】
調査主体:サイカ
調査対象期間:2019年11月
調査方法:Webアンケート調査
調査対象:以下の条件を満たす106人の広告宣伝担当者
・インターネット広告を出稿している企業の勤務者(インターネット広告のみを出稿している企業に限定せず、並行してオフライン広告を出稿している企業も含む)
・その企業にて、広告出稿業務、並びに出稿した広告の効果測定業務に現在従事している者
【関連記事】
・テレビCM本数・時間とアプリグロースの関係を可視化 フラーとエム・データが共同調査を実施
・デジタルサイネージ広告、2019年の市場規模は749億円に/タクシーサイネージが急増【CCI調査】
・スマホでの動画視聴は5年間で4倍に/50~60代のスマホ利用率も急上昇【ニールセン デジタル調査】
・YouTube視聴者の7割が「広告なし有料プラン」を認知、女性より男性が利用【ジャストシステム調査】
・ネット広告のコンテンツ環境管理、7割の消費者が「広告主の責任」と回答【IAS調査】