何もできない自分を変えたかった
野崎:今回は現在Twitterでのフォロワー数は6,000超、そして学生時代には飲食店経営を経験するなど変わった経歴を持つアナグラムのすなえりさんに突撃して、若手マーケターのキャリア形成の参考になるヒントを探ります。
元々、学生時代に飲食店を経営していたとのことですが、その頃からマーケティングや経営に関心があったんですか。
すなえり:その頃は「自分を変えたい」という思いが強かったです。沖縄で過保護に育てられ、自分は何もできないと危機感を持っていました。そこで、地元を離れ関西の大学に進学したんですが、いたって一般的な学生生活で、変化のない日常を過ごしていました。
今回のインタビュイー:すなえり(砂川 恵里佳)さん
集客と発信が好きなマーケター。沖縄で温室育ちの芋ガールから、大学時代に飲食店経営。人材会社を経てfreeeでインハウスの広告運用などに従事。現在はアナグラムで運用型広告のコンサルタントをしている。Twitterアカウントは @suna_book 。
すなえり:そんなある日、mixiに「学生だけで飲食店を経営しませんか」と学生団体の方からメッセージが来ました。「これなら成長できるんじゃないか」とチャンスを感じ、見学に行ったんです。
しかし、勧誘で来た学生の多くはバイトやサークル気分で、本気で経営したいと思っている人はほとんどいませんでした。それでも、私はここには経営に関われるチャンスがあると信じていたので、自らがリーダーになるべく努力し、最終的にはその学生団体のリーダーになりました。
潰したくない一心の行動が今の原点に
野崎:ここから沖縄ガールのサクセスストーリーが始まったのですね。どのようにしてリーダーまで上り詰めたのでしょうか。
すなえり:ひたすら売上作りにコミットしました。何日も連勤して、お客さんがいない時は駅前でチラシを配ったりブログを書いたりしていました。最終的にはその当時のリーダーに「上に立つ覚悟がないなら私がやる」と話し、リーダーを務めるようになったんです。
野崎:飲食店の経営は、どこまで携わっていたのでしょうか。
すなえり:複数の飲食店を経営しているオーナーから、ある店舗の事業を任せてもらい、店のコンセプト決めから日々の営業、売上管理まですべて学生で担っていました。ただ、最初はなかなかうまくいかず、赤字続きでしたね。
するとオーナーから「損益分岐ラインを3ヵ月後までに突破しないと別の店にリニューアルする」と言われたんです。絶対にこの環境を失いたくないと思った私は、「店員総選挙」と題して、原価率の低いお酒1杯につき1票の投票権という制度でイベントを実施しました。
野崎:学生ながら損益分岐点を意識する機会があった経験は大きいですね。イベントを実施した結果、どうなりましたか。
すなえり:メンバーの接客意識も向上し、無事に売上目標を達成することができました。でも、シビアな環境だったので辞める学生も多く、採用が常にピンチでしたね。
SNSやイベントを駆使して、約3年で100名近くの学生を採用しました。マネジメントは苦手でしたが、他のメンバーと協力しながら後輩を育てて、就職活動を機にリーダーを引き継ぎました。