ユーザーのデータを活用する上で、最も厳しいセキュリティが求められるであろう金融業界。その中で「データサイエンスとビジネスの間をつなぐ人材を育てよう」という発想でデータドリブンマーケティングに果敢に挑んでいるのが、ソニー銀行のルゾンカ典子氏だ。データ基盤の整備などに加え、社員のマインドセットの転換にも精力的に取り組んでいる。「“攻め”のマーケティングは性に合っている」とほがらかに語るルゾンカ氏が進める、データを梃子にした同社の改革と展望とは。
※本記事は、2019年12月25日刊行の定期誌『MarkeZine』48号に掲載したものです。
顧客分析に一貫して携わる

ソニー銀行株式会社 執行役員 マーケティングサイエンス部 コンテンツ企画部担当 マーケティングサイエンス部長委嘱 ルゾンカ典子(るぞんか・のりこ)氏
米国州立大学にて心理学博士号取得。その後、米国シカゴにて、大手自動車保険会社R&Dにおける顧客・商品分析の経験を経て、2006年に帰国。東京では、外資系大手銀行・生命保険会社において、ビジネスアナリティクス部門の立ち上げ、運営をリード。2017年より現職。現在、マーケティング、データアナリティクス、CXデザイン担当役員として、チェンジマネジメント、デジタルトランスフォーメーション、データをDNAとしたオペレーションモデル構築に注力。また、キャリア構築を主軸にした社員の動機づけを促進。専門分野のOJTの重要性を社内・社外に発信中。
――御社では今年5月、新入社員全員と既存社員の希望者で「データサイエンスブートキャンプ」という研修を実施されたそうですね。翔泳社のWebメディア「IT人材ラボ」で取材させていただき、また他のIT系媒体でも記事を拝見しました。
私が当社に参画してから、いろいろな活動と並行して準備を続けて、ようやく形にできました。ソニーグループのデータアナリティクス人材の育成機関である「データサイエンスラボ」の全面的な協力を得て作成した5日間のプログラムで、皆が興味を持って取り組んでくれたので、来年度以降も続けるつもりです。
――こうした企画に至った背景も、のちほどぜひ詳しく聞かせてください。まずは、現在ソニー銀行のマーケティングサイエンス部を率いるルゾンカさんのキャリアをうかがえますか?
もともとは教育学を学んでいて、実は小学校と中学校の教員免許を持っています。そこから教育心理学の道へ進み、米国へ留学して、心理学における統計関連の専攻で博士号を取得しました。
心理学と統計って、かなり遠いイメージがあるかもしれませんが、「グループAの人たちとグループBの人たちは何がどう違うのか」などと比較するのは、まさに統計学なんですね。なので、そうした研究を経て最初にシカゴの自動車保険会社に就職し、帰国後は外資系の銀行、それから生命保険会社に勤めました。どの会社でも顧客分析に携わり、ビジネスアナリティクス部門の立ち上げなども経験してきました。
保険でも銀行でも、顧客のニーズを捉えて商品開発やマーケティングに活かしてきたのですが、私のキャリアの中では保険は“守り”、銀行は“攻め”の分析をしている印象ですね。私としては、攻めのほうが性に合っているなと思っています(笑)。
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高島 知子(タカシマ トモコ)
フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。
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