行動を促すキャンペーン&投稿の極意
――ショッピング機能に代表されるように、行動につなげやすい機能も増えました。Instagramから「買う」「出かける」などのアクションを起こすには、どのような仕掛けが必要でしょうか。
齊藤:少し前の事例になりますが、小売業界のクライアントさんのキャンペーンで、インスタ映えする写真撮影や加工術が得意なインフルエンサーたちをアサインし、商品紹介も兼ねて利用シーンの撮影をしてもらい、Instagramで発信しました。その写真と撮影ハウツーをまとめた冊子も作成し、店舗で配布したのですが、数日で5,000部がすべてなくなりました。「Instagramでステキな写真を撮影したい」というニーズが、特に数年前は盛り上がっていたので、人気を集めたのでしょう。
――ニーズを捉えて満たすことで、顧客との接点が生まれ、リアルで行動を起こしてもらうことにもつながったのですね。
齊藤:Instagramアカウントから店舗に誘導するようなキャンペーン企画も今後増えるでしょうし、オフラインとオンラインチャネルの回遊による行動の喚起は、可能性を感じています。松屋さんでは、店舗の券売機のデジタルディスプレイにInstagramの画面を掲載したり、他のSNSと連動させた企画で既存ファンにも、Instagramアカウントを話題にしてもらったりしています。
2020年、攻略したいのは「ARエフェクト」
――Instagramには、2020年も引き続き注目が集まることと思います。マーケティング活用のポイントを、改めて教えていただけますか。
齊藤:まずは、Instagramというプラットフォームを深く理解することが大事です。私は海外のアカウントを中心にチェックしていますが、利用者が求めているものを知るためには、自分がしっかりと使い込まなければと思っています。
また基本的なことですが、ハンドルの設計には気を遣うべきです。Instagramの検索機能の利用はますます伸びると思います。アカウント名を会社名にしてしまっているケースが少なくないのですが、SEOと同じで、検索したときに上位に出てこなければ見つけてもらえない。ブランド名にパワーや認知度があるのであれば、それをハンドル名にしたほうが強いです。
そして、やはり1番重要なのはコンテンツ。広告やQRコードなどを通じてアカウントへの動線を作る前に、達成したい目標のために「どんなコンテンツを届けるべきなのか」ということを一番に考えるべきです。
――最後に、2020年、齊藤さんがInstagramで盛り上がると予想しているトレンドを教えてください。
齊藤:InstagramのARエフェクトにはとても期待していて、既に自分で作ってみたりしています。クリエイターがARカメラエフェクトを作成し、Instagramストーリーズ上で公開できる「Spark AR」が提供されたことで、海外では既に波が来ていますし、日本でも流行るのではないかと思います。
齊藤:2020年は、ストーリーズのフェイスフィルターなど、ARを使った企画を考えてみたいですね。スターバックスさんがいち早く取り入れられていましたが、企業アカウントにとってもエンゲージメントをあげたり、UGCを生んだりというきっかけになるはずです。
――本日はありがとうございました。
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