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上海在住百貨店マンから見た、中国の最新トレンド

中国のミレニアルズに話題 拡大する新型フィットネスジム「SUPERMONKEY」のビジネスモデル

 近年、中国に対する注目が集まっています。特にOMOやニューリテールの文脈でアリババやテンセントの動向を追っている日本のマーケターも多いでしょう。一方で、彼らは巨大プラットフォーマ―すぎるあまりに、そのまま真似できないという現実もあります。そんな中国で起きるイノベーションやスタートアップを紹介する新連載がスタートします。上海にある百貨店で勤務しながら、日々TwitterやBlogで現地のOMO関連の情報を発信している洞本氏が、日本にはまだない新しいサービスやビジネスモデル、興味深い動向や企業について紹介していきます。

中国のミレニアル世代に支持される「SUPERMONKEY」

 中国では経済が発展するにつれ、大都市を中心にモノからコトへ消費スタイルが移行しています。そんな中国では、近年フィットネスジムが増加しています。“見た目”が日本以上に重要視される中国では、若い女性を中心に、顔や身なりだけでなく、スタイルの良さや健康的な美しさを求めてジムに通う人が増えているのです。

 前瞻産業研究院によれば中国のフィットネスジム業界は毎年10%以上の成長を続けており、2018年には1,000億元弱(約1.6兆円)に達した模様。また、美団点評のレポートではフィットネスジムの顧客のうち1980年代生まれと1990年代生まれで79.4%を占めているデータも紹介されています。

 そんなミレニアル世代から支持を集めているフィットネスジムの1つが「SUPERMONKEY(中国語表記は超級猩猩)」です。2019年にはシリーズDで3.6億元(約57億円)を調達しています。今回は日本ではまだ見ない新しい形態のフィットネスジムのビジネスモデルと顧客を引き付ける理由を紹介します。

低価格を実現する4つの“なし”

 中国のミレニアル世代に人気のフィットネススタジオ、SUPERMONKEYには4つの特徴があります。

特徴1:会費なし

 最も大きな特徴は年会費・月会費が不要なこと。中国でも、一般的なフィットネスジムは会費制度を取っており、ここ上海では年会費4,000〜5,000元が相場です。ただし、日本同様に「会費を払っているのに全然ジムに行けていない」と嘆く声はあります。そんな顧客のニーズを汲み取り、SUPERMONKEYは固定の会費を取っていません。顧客が行きたいと思った時に行くことができ、1回ごとに料金を支払う方式を採っているのです。

 予約の仕方もとても簡単です。WeChatのSUPERMONKEYの公式アカウントをフォローして、WeChatのミニプログラムから自分が参加したいレッスン(※後述)を予約して、WeChat上でそのまま支払いをして参加できます。面倒な申し込みは一切不要で、すべてがオンラインで完結する仕組みは、とてもスムースです。

特徴2:トレーニングマシンなし

 SUPERMONKEYには基本的にはトレーニングマシンがありません(※)。もちろんプールもありません。すべてのレッスンは、スタジオでインストラクターが付いて複数の参加者と一緒に行うスタジオプログラムです(※現在はパーソナルトレーニングもあります)。一部エアロバイクが設置されている店もありますが、それも同じスタジオプログラム方式です。場所を取る設備がないので、1店舗の面積は250〜350平米程度に抑えられています。

 スタジオプログラムの内容は、ヨガ、格闘技系のボディコンバット、筋力系のボディバンプ、エアロビクス、ダンス、エアロバイクなど多岐にわたります。各1時間ほどのプログラムが各店で毎日実施されているので、顧客は希望のプログラムや店舗ロケーションに基づいて空き状況を確認し、空きがあれば即申し込み・参加できます。

※パーソナルトレーニングの施設には、トレーニングマシンが設置されています。

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この記事の著者

洞本 宗和(ホラモト ムネカズ)

上海新世界大丸百貨 マーケティング部 部長 婦人服のバイヤー、グループのシステム会社でのSE、本社の販促・広告マネジャーなどを経て、17年より現職。個人の活動として、TwitterBlogでは中国の小売・ニューリテール関連の事例を発信し、視察のガイドも実施している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/01/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32737

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