ECサイト・アプリにおいてUXがブランドに及ぼす影響
アドビ システムズ株式会社の久保麻子氏による論文「ECサイト/アプリにおけるUXがブランド態度に与える影響−Amazonと楽天の比較から(PDF)」では、デジタル社会においてUX(ユーザーエクスペリエンス)が、ブランドに及ぼす影響を調査しました。
日常生活にデジタルが浸透するほど、デジタル世界とユーザーとの接点を構成するユーザーインターフェースに関する経験、すなわちUXは、ますますその重要性が増しています。久保氏は、こうしたUXに関する欧米の先行研究を詳細にレビューした上で、日本ではUXに関する研究が乏しいことを指摘しています。その上で楽天とAmazonを対象として「便利か」「使いやすいか」「好ましいか」など6項目から構成されるUXがブランド態度に及ぼす影響を測定しました。

この論文には、UXに関する広範な先行研究がまとめられていて、これを読むだけでも価値がありますが、その上で従来あまり注目されてこなかった国内ECサイトにおけるUXに関して、実証研究を通じて議論をさらに先に進めています。
以上にご紹介した4組の論文は、デジタル化が急速に進む今日の社会において、ブランド戦略やブランドに関する消費者行動がどのように変化していくのかを占い、最適な方向性を選択する上で、とても重要なヒントを与えてくれます。ぜひご一読をお勧めします。