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花王廣澤氏が若手視点で聞く、これまでとこれからのマーケティング

「手口ニュートラル」で欲求を生み出すコミュニケーションを【花王廣澤氏×博報堂ケトル太田氏対談】


博報堂ケトルが持つDNAとは?

太田:自分で泥臭く行動するというDNAが、博報堂ケトル社員には備わっていると考えています。たとえば「自分で電話しろ、番号がわからなければ大代表に電話しろ」という教えがあって、他人に任せるのではなく、自分で交渉することの重要性を皆が理解しています。

 たとえばメディアに対しても、PR会社経由だけではなく自分でメディアに電話し、熱量を持ったプロモートをしてみるとか、そういった泥臭さが「手口ニュートラル」を支えるDNAになっていると思います。私もすぐ突撃しがちです(笑)。

廣澤:御社のクリエイターの方々にお会いしたことがありますが、きらびやかな印象と同時に泥臭さも感じました(笑)。そういった泥臭さは元々備わっているのでしょうか。それとも育てる環境や仕組みを持っているのでしょうか。

太田:環境を整えているわけではないですが、博報堂ケトルで働く中で身に付いていくのだと思います。誰もやったことのないことを成功させるには、一定の泥臭さが必要です。前例がないからこそ、たくさんの壁に当たりながらも走り続ける。

 すると、やったことのないことを実現する力がつく。そして、楽しかったし成果も上がったと成功体験のサイクルが回り始めるのです。

マーケターが取り戻すべきはインサイト発想

廣澤:太田さんから見て、「良いコミュニケーション」を考えるために何が必要だと思いますか。

太田:「良いコミュニケーション」に必要なのは、インサイト発想だと思っています。現在、AI技術でクリエイティブが生成される、ビッグデータ活用によって最適なオファーが行われるといったことが実現すると同時に、マーケターから人間の心がなくなっているように思います。

 コミュニケーションを届けたいのは人間の心を持った生活者なのに、私も含めて効率やKPIを意識し過ぎて、生活者を対象物として見てしまっている瞬間があるのではないでしょうか。

 人間ですら気づいていない欲求をAIが気づくのはまだ先の未来だと思います。人間の本質を見つめ続けて、人の心を動かすために何をすべきかを「手口ニュートラル」で考え、潜在的欲求に訴えかけるコミュニケーションこそが良いコミュニケーションだと思います。

廣澤:太田さんは、インサイト発想で思考するためにどういったことを意識していますか。

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インサイトを捉えた新たな企画に必要なのは?

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2020/03/31 13:22 https://markezine.jp/article/detail/32911

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