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CXがサービスデザインそのものになる時代 “クリエイティブエクスペリエンス”の可能性

2020/02/25 13:00

 CX(カスタマーエクスペリエンス)は今、多くの企業にとって無視できない概念になっている。Isobar GlobalはCXの進化系として、クリエイティブを機能させる「Creative Experience」を提唱し、10ヵ国約1,000名のCMOに対して実施した調査レポートを昨年7月に発表した。電通アイソバー代表の得丸英俊氏は、「CXの向上がテクノロジー面から先に進んだ結果、今度は同質化が課題になり、クリエイティビティを発揮した独自性が期待されている」と読み解く。

目次

※本記事は、2020年2月25日刊行の定期誌『MarkeZine』50号に掲載したものです。

広告業界の存続危機とクリエイティブへの注目

電通アイソバー株式会社 代表取締役社長(CEO) 得丸英俊(とくまる・ひでとし)氏
電通入社後、営業局勤務を経て、1990年代後半より、デジタル領域にフォーカスしたマーケティングプランナーに。その後、電通グループのベンチャーキャピタルや外資インタラクティブエージェンシーとのJVなどの役員等を歴任し、2009年11月より、当時の電通レイザーフィッシュ(現・電通アイソバー)代表取締役社長に就任、現在に至る。ボーダーレスに広がるデジタルマーケティング領域におけるエージェンシーのあり方を探求し、グローバルデジタルエージェンシーIsobarの日本法人をリードしている。

――得丸さんは、1990年代後半からデジタル領域に携わってこられました。電通内にデジタル部門が設立されて異動されたころから、もともとデジタル領域に関心があったのですか?

 そうですね、まだインターネットが広がる前のパソコン通信の時代から個人的に触っていました。1994年ごろ、インターネットが使えるようになって一気にオープンな環境になったことは衝撃的でしたね。個人も自由に国境を越えて発信できる空間が確立されると、旧来のマスメディアだけが発信できるような状況が覆され、メディアの構造自体が変わるのではと感じました。ひとつ悔いがあるとすれば、その時点でデジタル広告のビジネスがこれほどブレイクするとは予見できなかったことです(笑)。

 その後、私はこの領域に専門的に携わるようになりましたが、テクノロジーが非常に速いスピードで発展する中、今改めてCMOをはじめとしたCクラスを中心にクリエイティビティに注目する流れが生まれてきていると思っています。

――今改めてクリエイティビティが注目を集めているとは、どのような意味合いでしょうか?

 AIの進化にともなって、人の仕事が機械に代替されるのでは、という論調が出てきていますが、広告クリエイティブの世界も同様です。テキスト情報で言えば、分析だけでなく、コピーも作れますし、画像も解析して自動で表現を加工し改善することができるようになっています。一般の消費者が見ても気がつかないうちに、多くの広告表現がAIによるものに置き換わっていくのも時間の問題かもしれません。

 実際、海外では「10年後に広告会社は生き残っていないのでは」と厳しい意見を聞いたりします。否定したいところですが、10年前に今の状況を想像できなかったわけですから、大丈夫とも言えない。その点に、危機感を持っているのは事実です。

 その一方で、AIが進化しているからこそ人間ならではのクリエイティビティに期待される部分が、2つあると考えています。ひとつは「次にAIに何をさせるかを考案する」こと。もうひとつは「AIによってクリエイティブが同質化する中で際立った表現を生み出す」ことです。

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