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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』特集

U35に聞く!マーケティングセンスの磨き方(Part1)

「マーケット感覚」を鍛えるために意識している3つのこと

サンスター ダイレクト営業部 デジタルグループ長代行 兒嶋仁視氏
サンスター ダイレクト営業部 デジタルグループ長代行 兒嶋仁視氏
キャリアサマリ

2013年サンスターに新卒入社後一貫してダイレクトビジネスに従事。システム・物流担当を経て、2014年よりデジタル担当を兼務。2019年よりデジタルグループ長代行としてECに関わる領域を統括。

現在の業務

通販事業におけるデジタル施策を統括。具体的には、デジタル領域における全体戦略策定、デジタル広告(SEMやSNS、アフィリエイト、Web広告全般)、UI/UX改善やキャンペーン企画といったサイト運用管理、CRMの企画・運用・改善、新規デジタル施策の企画・立案・実行、ECシステム構築・運営など。

自分を何者か定義しすぎない

 最近何者かになることを推奨しているような文章をよく見かけますが、そんなに焦らなくてもいいと考えています。というのも、自分を職務や役割に当てはめたり、なりたい将来像などを考え「自分はこういう人間だ/こういう人間になりたい」と定義しすぎてしまうと、情報をインプットする際に無意識に取捨選択してしまうことにつながるからです。僕自身役割もあるし、こうなっていきたいという将来像は持っていますが、あくまで現時点の暫定だと捉え、自分の興味の赴くままに様々な情報に触れるようにしています。そうすると意外な情報が自分の役割へのヒントにつながったりします。

人間観察(人が動く理由を考える)

 人が何を考えているか、どんな行動をしているかをよく観察している子どもでした。今考えると、「これを言えば人が喜んでくれる」とかそういうことを計算してやっていたと思います。純粋さからかけ離れた子どもでした(笑)。こういった仕事に就いたので、最近では意識的に色んな人を観察するようにしています。答え合わせはできないですが、街ですれ違う人の服装や持っているもの、髪型、歩き方、スマホで見ているアプリなどから、その人がどういう人で、どういう生活をしているかを想像しています。すこし気持ち悪い大人になりました(笑)。

データの先にいる「人」の行動を考える

 業務の話でいうと、データを見るときに「人の意図や行動」までを考えることを意識しています。デジタルをやっていると、どうしてもツールやエクセル上の数字ばかりを見て判断しがちになりますが、データはすべて人の行動の蓄積。そこにはその行動にいたった意図があります。データが蓄積されるモーメントを自分でも確認しながら、どういった意図で行動が起こされているかを、左脳と右脳を使い分けながらデータとモーメントを見比べています。

「マーケット感覚」を鍛えるために意識している3つのこと

日本アイ・ビー・エム株式会社 パフォーマンス・マーケティング デジタル・ストラテジスト 千葉大樹氏
日本アイ・ビー・エム株式会社 パフォーマンス・マーケティング デジタル・ストラテジスト 千葉大樹氏
キャリアサマリ

2012年にサイバー・コミュニケーションズに入社し、広告営業に従事。その後、アライドアーキテクツにて、マネージャー/コミュニケーションプロデューサーとして企業のソーシャル・メディアマーケティング、デジタルプロモーションを支援。2016年より日本アイ・ビー・エムにて、自社のデジタルマーケティングを担当。

現在の業務

現職の日本アイ・ビー・エムでは、IBM Watsonを主とする自社ブランドのデジタルマーケティングを担当しています。デジタル戦略の立案から、デジタル広告、Web制作、MAまで、デジタル領域全体を一気通貫で手がけています。また、現在はIBM Japanの公式SNSアカウントの運用改善業務も行っています。

マーケット感覚を認識する:自分のユーザー目線を認識

 マーケティングに携わり始めた当初から、自分自身の自然と持っているユーザー目線を認識するようにしています。マーケティング経験が長い方々はマーケティングの知識を持ってデジタルに触れています。反対にマーケティング経験が浅い方々は、ユーザーとしてデジタルに触れてきた期間が長いことを意味します。マーケティングの知識が増えるにつれて、すべてのユーザー体験をマーケティング知識のフィルターを通して評価しがちになり、最終的にユーザー目線の切り分けが難しくなってしまいます。だからこそ、自分自身のユーザー目線を大切にしていくことで、偏りのない考え方を持つことができます。

マーケット感覚を変換する:ユーザーとマーケター目線の切り替え

 自身のユーザー目線をマーケター目線で活用できるデータに変換するために、目線の切り替えを意識しています。数年前にInstagramが登場した頃、企業はSNSごとに施策を行っていました。自分自身は電車遅延などのテキスト情報はTwitter、スニーカーなど画像情報はInstagramといった形でハッシュタグ検索の使い分けをしていました。この気付きをもとに、約5,000人にハッシュタグ利用調査を行い、SNSを横断したユーザー行動を見据えたSNSマーケティングに活かすことに繋がりました。普段ユーザーとしての何気ない行動や気付きは、新たな潮流を掴むきっかけになるかもしれません。

マーケット感覚を応用する:データドリブンの前に感覚を

 PDCAの仮説を立てる“Plan”の前に感覚を置くようにしています。数値データだけにとらわれてしまうと仮説の部分から数値ありきで、最終的な結果も単純な数値の増減で語る数字遊びになってしまいます。IBM入社当時、担当領域のWebページは数値の観点では離脱率、CVRともに目標水準よりも高い状態でした。一方で、ユーザー目線ではページが長くて情報に辿り着けませんでした。その点を踏まえ、感覚を起点に仮説を立てて施策を行い、CVRも約200%改善できました。これが数値データだけに目を向けることの落とし穴です。データドリブンの前に感覚を置き、どうユーザー目線に立ち返るかが大切なポイントです。

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:46 https://markezine.jp/article/detail/33037

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