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定期誌『MarkeZine』特集

U35に聞く!マーケティングセンスの磨き方(Part1)

 現在活躍するU35のマーケター&スタートアップCEOに、「マーケット感覚」を鍛えるために取り組んでいることを聞きました。本稿では、オプトの中川綾香氏、花王の廣澤祐氏、サンスターの兒嶋仁視氏、日本アイ・ビー・エムの千葉大樹氏、ライオンの内田佳奈氏、リクルートジョブズの徳光謙氏の取り組みをご紹介します。

※本記事は、2020年3月25日刊行の定期誌『MarkeZine』51号に掲載したものです。

「マーケット感覚」を鍛えるために意識している3つのこと

株式会社オプト データアナリスト 兼 マーケティングコンサルタント 中川綾香氏
株式会社オプト データアナリスト 兼 マーケティングコンサルタント 中川綾香氏
キャリアサマリ

2013年、新卒でオプトに入社。広告分析・サイト解析によるダイ レクト広告運用サポートを3年間経験したあと、データ分析を起点 とするCRMのコンサルタントとして企業の顧客コミュニケーショ ン支援を行って4年目。クライアント企業とともにマーケティング の先端事例を創出し続けたいと専門職キャリアを選択。

現在の業務

企業の持つ様々なデータを分析しマーケティングに活用するための 支援を行っています。直近では、検討・購入・使用が繰り返される 購買活動サイクルの中で企業とカスタマーはどのような接点を持つ べきか、データとテクノロジーを活用してオンラインとオフライン の垣根をまたいだコンサルティングに力を入れています。

 マーケットとは「自分以外のすべての人」、マーケット感覚とは「できる限り他者を理解するスキル」だと捉えています。そこで、「他者への理解力」を鍛えるために普段から心がけているのが次の3つの習慣です。

習慣1:問いかける

 仕事に関わる/関わらないことどちらについても、常々自分に「問い」を投げかけています。「この商品はなぜ売れているのだろう?」「どうして自分は今〇〇というお茶を買ったんだっけ?」など、なんでも構いません。人の行動の裏側には何かしらの理由が隠れています。重要なのは目の前の事象を自分なりに分解し、回答を出す癖をつけることです。

習慣2:疑う

 自分とは異なる考え方や価値観に対する想像を膨らませ、あえて自分の回答を疑ってみます。他者の考え方や価値観を想像するには、そのバックグラウンドとして存在する歴史や政治経済、地理、教育、宗教や文化などの知識も大いに役に立ちます。ビジネスやマーケティング以外にも、幅広く興味を持ってインプットするようにしています。

習慣3:答え合わせをする

 問いかけ、疑ったあとは、答え合わせをしてみます。他者の理解は十分だったか、足りなかった場合はどの視点が欠けていたのか。マーケター同士で意見を交換することも大切ですが、ときには店舗でお客様と向き合っている従業員の方から情報を得たり、マーケティングリサーチという形で市場調査をしてみることも必要だと考えています。

 私が業務で扱うことが多いファーストパーティデータは、事業において重要な情報資産であり、今後その価値はますます高まっていくと想定されます。デジタルマーケティングというと、データから見える数字で物事を判断していると捉えられがちですが、データの向こう側に存在する生身の他者を理解し、尊重し、彼らが生きる社会に何かしらの価値を提供する、そういう仕事ができるマーケターでありたいと私は思っています。

「マーケット感覚」を鍛えるために意識している3つのこと

花王株式会社 コンシューマープロダクツ事業部門 キュレル事業部 廣澤祐氏
花王株式会社 コンシューマープロダクツ事業部門 キュレル事業部 廣澤祐氏
キャリアサマリ

2015年に花王に入社し、3年間のデジタルマーケティング経験を経たのち、2018年1月より現職。現在はデジタルだけにとどまらず、商品開発から販売、プロモーションなどマーケティングに関わる様々な工程に従事している。2019年4月より一橋大学大学院経営管理研究科へ在籍。

現在の業務

乾燥性敏感肌の方のための化粧品ブランド「キュレル」を担当しています。新製品の開発や既存品の改良など「モノ作り」の部分から、それを最終的にどのようにお客様に届け、お使いいただくかということを日々考えながら販売やプロモーション業務まで様々な仕事に従事しています。

「競争優位」の要素や構造を理解する

 “マーケット感覚”という言葉は個々人で解釈に差があるため、ここでは「各社間の競争優位の要素や構造」という意味で進めます。したがって、“マーケット感覚を掴む”は「競争優位の要素や構造を理解する」と言い換えることができます。なぜ「競争優位」なのか。資本主義に属する限り、私たちは常に競争相手より成長し続ける必要があります。そうしなければ、いずれ競争相手より早くに衰退し、市場から淘汰されてしまうからです。故に、ビジネスでは他社より抜きん出て成長する方法を見出さねばなりません。

まずは「情報収集」を徹底的にやる

 では、そのために何をすべきかというと、「綿密な情報収集」「懐疑」「基本をやり抜く」の3つです。企業戦略論の第一人者であるリチャード・ルメルトは著書『良い戦略、悪い戦略』の中で、「現状の診断と問題の特定」「方針を決める」「行動する」の3つが戦略の基本だと語っています。現状を適切に診断し、問題を特定して方針を定めるには、市場や自社・競合の情報は勿論、お客様の認識や日常的な行動などの「綿密な情報収集」が必須です。しかし、実際はこの最も基本的な部分がなおざりなことが多いのも事実です。“マーケット感覚を掴む”ためには、何を指摘されても打ち返せるくらいまずは情報収集を徹底的にやることです。

重要なのは自分を信じすぎないこと

 しかし、人は様々な心理的バイアスを抱えており、やりきったつもりでも突っ込みどころが残ってしまうものです。それを低減するには、自分の作り上げたストーリーや集めた情報に対して常にどこかで懐疑的になることです。重要なのは自分を信じすぎないことです(笑)。当たり前すぎて参考にならないと思われるかもしれませんが、この当たり前を実行できないのが人間です。経営学者の伊丹敬之は「人は善なれど弱し」、人間は生まれながらにして弱いものだと語ります。“マーケット感覚”は、こうした弱さを克服し当たり前のことを着実にこなしていく実直さや泥臭さに宿るのではないでしょうか。

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:46 https://markezine.jp/article/detail/33037

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