世界初となった、MarketoとDataRobotの連携
Sansan社が提供する「Sansan」は、これまで個人が個別に所持、管理していた名刺をデータ化し、企業内での共有を可能にするクラウド名刺管理サービスだ。業種業態問わず様々な企業で導入が進み、現在Sansanの利用企業数は6,000件を超え、クラウド名刺管理サービス市場シェアはおよそ83%にも上る。主に営業、マーケティング部門の生産性向上をサービスの強みとして掲げており、その一環として、Sansan内で管理されている名刺データを最大限に活用するための外部システム連携に注力しているという。
Sansan事業部でマーケティングデータの統合・分析・可視化に従事する新名庸生氏によるセッションでは、MAツール「Marketo」と機械学習自動化プラットフォーム「DataRobot」、そしてSansanとの連携とその裏側について語られた。
はじめに新名氏は、世界初の事例となった、MAツール「Marketo」と機械学習自動化プラットフォーム「DataRobot」の連携が実現した過程について説明する。
「弊社のマーケティングシステムではMarketoとSalesforceを2015年から使っており、常時同期されている状態です。 フォームや名刺、リスト経由で獲得したリードの見込み顧客情報が入ってくると、まず一括してMarketoに投入されます。インサイドセールスや営業の担当者は、Salesforceを通してリードの情報を確認し、アポイントの架電から営業活動へとつなげていきます」(新名氏)
しかし、リードの量が増えてきたことで、「どのリードから架電すればよいのか、その優先順位がわからなくなる」という問題がインサイドセールスで起こり始めた。Marketoには「スコアリング」という概念があり、リードの情報や特定の行動によって点数が加算、減算される機能が実装されている。
「Sansanではこのスコアリングが100点を超えた場合に架電を行うというルールを設けていましたが、まったく異なる施策やチャネル経由で集められたリードを一律の基準で判断してよいのだろうかと疑問がでてきました。また、メール開封率やサイトへの滞在時間など、別の指標は考慮しなくてよいのかという別の疑問もありました。
Marketoで捉えられるリードの属性は無数にありますから、スコアリングの基準はトレンドや事業の状態に合わせてアップデートさせていくことにしました。しかしそれを人で対応するのは無理だと判断し、DateRobotで予測モデルを作成していくことにしたのです」(新名氏)